とっとこはむちゃん【短編集】 (ページ10)

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6「っ！！！

　はあっ、はあっ、はあっ」

また、夢か？

再びベットの上で起き上がった

今度は違和感無く歩ける

そんな事よりも今はただAに会いたい

ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ

球場に着いてからすぐにAを探した

ロッカールーム、食堂、ベンチ裏、全て探しても見つからなかった

6「ほんまに、おらんくなったんか？」

『誰がですか？』

6「は？おま、どこ行っとったん！？」

『普通に球場内ぐるぐるしてました

　てか、本当にいなくなるってどういうことですか？』

6「それがな､､､」

Aに今日見た夢のことを話した

変な新聞を見つけた事

Aが死球で死んでしまった事

俺は青ざめていく顔を見ることしかできなかった事

『疲れてるんですか？ちゃんと休んでます？

　そもそも死んでませんし、バッターボックスでは必ず
ヘルメット被るんですから血は出な、っわ』

話も聞かず、唐突に込み上げてくる不安をかき消そうと
存在を確かめる様に、生きていることを確認する様にAを掻き抱いた

ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ

？side

今日の目覚めは悪かった

その原因は見た夢

"浜野A 死去"

その言葉がまだ頭にこびりついている

まだ若いのにプロとして活躍していることは知っているが
会ったことも対戦したこともないその子の夢を見るなんて不思議だ

身近な人ではないとはいえ、若い芽が摘まれるのは悲しい

今、俺にできることは遠い地から夢が現実にならないように願うだけしかない

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