とっとこはむちゃん【短編集】

きつねときつねで ページ30

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No side




ある日の日ハムとの交流戦でのこと

今、グラウンドでは流行りのきつねダンスが行われている




ベンチからきつねダンスを見て真似する選手もちらほらといるなかで、はむちゃんも例に漏れず狐の指🤘を真似していた

それほど大きくは踊っていないものの、曲にノっていて
楽しそうなのがわかる




25「踊らんの」


『踊りません
　てか、振りを覚えてないのでできませんよ』


25「簡単やろ、確かこんな感じで､､､」




岡本が軽くダンスを真似するも、その動きはどこか
ぎこちない



『､､､なんか違う』


25「え、違う？
おかしいなー こんな感じやと思ってたんやけど」





そう言うと岡本ははむちゃんの隣に座って再びダンスを
見始めた





そこに通りかかった戸郷は、はむちゃんが小さく狐の指をしていることに気がついた


すると戸郷は何も言わずにはむちゃんの腕を掴んで
はむちゃんが指で作っている狐に自身の指で作った狐を
くっ付けた

いわば狐同士でキスしたということだ




『？？？(宇宙猫)』


25「わーお」




何も言わずにそのまま戸郷は去って行き、取り残された
はむちゃんとそれを見ていた岡本はフリーズ状態となった




『……？！？！』




事を理解したはむちゃんはみるみるうちに顔を赤くし、
だんだんと蹲っていった







しかしこれを見ていたのは岡本だけではなかった


球場のスクリーンには戸郷が通りかかるあたりからずっとはむちゃんを映し続けていた

それにより観客に一連の流れが見られており、密かに観客から歓声があった










しかしそれには戸郷も、岡本も、はむちゃんまでも試合後まで気づくことはなかった

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