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「だりゃぁ！」「でやぁ！！」
悟空とベジータの拳がぶつかり合い、蹴りを避けては気弾を撃ち、それを弾き返し…目にも止まらぬスピードで上空を駆け回っていた。
ウィスはというと、それを観察しながら眠るビルスへ顔を向けた。天使であるウィスは破壊神の補佐であるはずなのだが、今ではすっかり2人の人間の師だった。
「ビルス様」
「んぁ…」
「ちょっと出かけてきます。あのお二人が白熱したら止めてくださいね。そろそろだと思うので」
「…ぁ？」
ウィスが消えた瞬間、ビルスが寝ている切り株に向かってかめはめ波が突っ込んできた。悟空が撃ったかめはめ波をベジータが逸らしたらしい。2人はあわあわして、しかしサイヤ人らしく逃げずに、怒れるビルスの前で慌てふためいているだけだった。
ブルマの隣でAは丸くなっていた。2mもあるとそれだけで大きいものなのだが、どうも幼子のような振る舞いや言動に無下にすることは憚られた。
「A、寒くない？」
「…へいきだよ」
「そう…」
「…ねぇ、ぶるまさん」
Aが顔を上げた。一切光がなくても輝いているように見えて、まるで海月のようだった。
「善悪って何だと思う？」
「え？そりゃあ、良いことと、悪いこと」
「良いことってなに？」
「うーん…誰かに優しくしてあげたり、助けてあげること、かな」
「…何も知らないことは良いこと？」
「どうして？」
「知ってしまうと、いけないことを知ると、だめ？」
ブルマは少しの間考えて、彼女の頬を撫でた。
「んー…難しいわね。でも何も知らなくても犯罪を犯すことはできるのよ。例えば、お金を知らないと盗んでしまうし、痛みを知らないと人を傷つけるわ。良い、悪い、だけで判断はできないわね」
Aも同じように首を傾げて、ブルマの頬に触れた。
「じゃあ、お父さんがみんなを滅ぼすのは？」
「そんなのダメよ。死んじゃうじゃない。私まだ死にたくないもん」
「でもお父さん、一番偉いのに」
「一番偉いなら、それがどんなにダメなことか知ってるわよ。そうじゃないなら孫くんやベジータに倒されるだけ」
「かてるかな」
「勝てるわよ」
自信満々のブルマにAはにへ、と崩れた笑みを浮かべた。誘導されるままベッドに潜り込んだ。
「おやすみぶるまさん」
「ええ、おやすみ」
深夜10時を過ぎてなお外は真昼のように明るかった。
黄金の球体と鳴り響く鐘の音は、宇宙人を知らない地球人にとっては歓迎と思われ、テレビでは祭りのような催しが始まっていた。
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メルト(プロフ) - どでぃさん» ありがとうございます！本当はスパヒ始まる頃に終わらせておくつもりでした！無理でした！ (2022年7月28日 22時) (
レス) id: 465e22fbd6 (このIDを非表示/違反報告)
どでぃ - 面白いです！すっごい続き気になってます、更新頑張ってください。 (2022年7月28日 11時) (レス) @page49 id: 8e1c6e0d2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メルト | 作成日時：2022年5月3日 0時
