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Aの父はそれはそれは恐ろしいものだと言う。
かつて子供たちの中でも最愛の2人を、自分を齧っただけで追い出してしまった。
エデンからの追放は有限を生きるということだ。
その子たちは寿命を得て、荒野を彷徨い、家族を持ち、運良くその地で繁殖することができた。
しかしそれでもエデンに届くほどの塔を建てようと意気込んだ子孫たちの言語をバラバラにしてしまい、そして色欲に溺れればその街に火の玉を落とした。
その鐘の音が、地響きになる時、この世界は終わりを迎える。Aはそう続けた。
ブルマに縋り、恐怖で泣きじゃくる彼女はやはり大きな子供だった。
「くだらん」
ベジータはそう言って一蹴した。その言葉に彼女は立ち上がる。テーブルに足をぶつけてティーポットが倒れた。
「くだらないって、」
「くだらんもんはくだらん。第一お前は落ちてきたんだ。俺たちが連れ去ったわけじゃない」
「そんなの、わかってるよ。お父さん、私が外に出たのが嫌なんだ」
「はっ。だったら檻にでも入れておけばいいだろう」
「入ってたよ。でも、出されたんだ」
Aは目を伏せて、「あの子は悪い子だったけど」と溢した。
「なあ、お前の父ちゃんってつえーんか?」
悟空があっけらかんとそんなことを尋ねる。Aは困ったように笑った。ちゃんと笑った顔は今のところ見たことはない。
「強い。すごく。誰も敵わない」
「じゃあオラがやるっきゃねぇな!」
「なんで貴様なんだ、俺だ。俺が勝つ」
「え」
よし!と意気込んで悟空は懐からウィスと連絡する道具を取り出した。
「ウィスさん、今から行ってもいいか?ベジータも一緒に」
「ふん」
「ちょ、ちょっと、待って、勝つって、?」
「A、待ってろよ。お前の父ちゃんコテンパンにしてやる!」
「え、だから、そんなの」
「サイヤ人に限界はない」
「え、ぇぇ…?あの、違くて、その」
「お邪魔します」
「ぴゃッ!?」「よう、ウィスさん!こんばんは!」「早かったな」
ウィスの背中に触れて、悟空は笑顔でAに手を振ってベジータは楽しみにしてろと悪どく笑った。
「ね、なんでそんな楽しそうなの?だって、とっても怖くて、強くて…」
不安な顔をするAに悟空は乱暴に頭を撫でた。
「心配すんな」
Aの言葉の真意を知っているのか知らないのか、彼はとにかく笑顔のままで。
大きな掌で髪を掻き乱した。
「ちゃんとやっつけてやる。オラたちも危ねぇしな。じゃ、行ってくる!」

「…ぶるまさん、ごくぅ、って変だね…」
「安心して、ただのバカよ」

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メルト(プロフ) - どでぃさん» ありがとうございます!本当はスパヒ始まる頃に終わらせておくつもりでした!無理でした! (2022年7月28日 22時) (レス) id: 465e22fbd6 (このIDを非表示/違反報告)
どでぃ - 面白いです!すっごい続き気になってます、更新頑張ってください。 (2022年7月28日 11時) (レス) @page49 id: 8e1c6e0d2a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:メルト | 作成日時:2022年5月3日 0時

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