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「愛ですわ」
同じ黒色の少女が小躍りをして言う。死んだ惑星を覆う毒の花をそっと摘んで目の前に差し出してきた。
「愛は無限、愛は偉大。愛は私を救い、あなたを救うのですわ」
少女は自分と同じ顔をしていた。にっこり微笑んで、頬を両手で挟み、額を重ねる。
「あなたの愛はあなたのもの。これは私からのあなたへの愛」
平等な眼差し。彼女は全てを本気で愛している。
「どうか幸せになって、私にあなたの未来を見せてくださいまし」
どん、と突き飛ばされる。最後まで笑っている彼女の、ひらひらしたシフォンケーキのようなスカートと、フォークのような飾りがなんとも切ない。彼女は皿なのだ。
「嗚呼、どのような人間にも等しく輝かしい愛ある未来を！」
クソッタレ以外に。
「ええ、クソッタレ野郎以外に！自己犠牲で成り立つ最上の国に！」
「！、…メメントモリ…！！！」
どの程度意識を失っていたか分からないが、Aは地面に這いつくばって思い切り天使たちを睨みつけた。
零れた彼女の命の水がごぼごぼと沸き立ち、放たれた矢と同じ数丈の槍を作った。悟空とベジータはただただ数に疲弊して、彼女が起きたことに気づいていないようだった。
槍を、精密に二人を避けて天使たちを貫いていく。串刺しになった彼らは崩壊し、下に落ちていく。
何が起こったか、回らなくなった頭で気づいた2人は立ち上がったAに目を見開いた。
「おい、A…」
「ちょっとは、痛いけど。嘘、結構、だけど。でも、平気」
ただでさえ薄い腹が余計削げてしまっている。簡単に折れてしまいそうな体はぼろぼろで、それはサイヤ人2人にも言えたことだった。
黒い硬質な肌にこびりついた得体の知れない黒い液体を拭って、彼女は悟空とベジータの手を握った。
「…ごめんね」
傷だらけの2人に、初めて彼女は心からの謝罪の気持ちを知った。
自分さえいなければよかった。
そうすれば2人は今も家族の元に居られたし、蛇も死ななかった。
「ここの空気は体に悪い。もう、私一人でできるから。だから、帰って」
「何を言っている」
ベジータが眉をひそめた。
「そんなことしたらブルマに怒られちまう」
続けて悟空は笑った。
城壁からまた天使が錬成されている。どうしても、まだ殺されたりないらしい。
悟空とベジータが構えをとった。Aは、初めて感じる眩暈と、脱力感を堪えて、同じように敵を見つめた。
「…？」
錬成されているのは、天使にしては小さく、そして随分膨大だった。
バタタタ…
耳元に聞こえた羽音にベジータはぎょっとして振り返った。
底には真っ白な蝗が一匹。
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メルト(プロフ) - どでぃさん» ありがとうございます！本当はスパヒ始まる頃に終わらせておくつもりでした！無理でした！ (2022年7月28日 22時) (
レス) id: 465e22fbd6 (このIDを非表示/違反報告)
どでぃ - 面白いです！すっごい続き気になってます、更新頑張ってください。 (2022年7月28日 11時) (レス) @page49 id: 8e1c6e0d2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メルト | 作成日時：2022年5月3日 0時
