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2人が居なくなって2時間45分。
ウィスは静かにただ待っていた。帰ってくることを願いながら半ばあきらめていた。
ここは神の管轄外。神から解き放たれた箱庭。そんな場所に踏み入るのは、あの2人こそ異分子で、最悪な害虫。ここの領主は恐らく2人を帰さない。そのまま殺してしまうか、ここの住人にするか。
きらっとはるか遠い空が光った。
ウィスが一歩後ろにずれると、もともと彼がいた場所に何か大きな塊が落ちてきた。
「おやおや、よく来れましたね」
ズタボロになった悟空とベジータが地面に伏せている。彼らを連れてきたのは右腕を失い、頭も半分かけて、左足首もないAだった。咥えていたベジータの服の欠片を吐き出して、彼女は立ち上がることもせずウィスの服の裾を掴んだ。
「はやく、かえろ」
にこりともしない彼女の背中は無数に矢が刺さっていて、背中も半分以上削げていた。金色のエネルギー液がごぼっと溢れた。
拳を受け止めた直後に彼女の右腕は大破した。そのまま悟空の背中を蹴って飛び降りる。
地面に落下する前に体を捻り、猫のように着地して彼女は失った右腕を見た。
「…インマヌエル」
「満たされないなんて可哀想」
右腕から零れた液体は地面に染みない。ドミヌスは顔を顰めた。
「ふむ、ブラックアウトの時間を過ぎたか。流石自動回復の機能も完璧な私の子」
また彼の手に水が遊ぶように纏った。しかし彼の左腕に、びしっとヒビが入った。驚愕した顔をして、彼は手を凝視する。
「馬鹿な。何故…私の体はお前よりずっと硬いのに」
髪の毛が光り輝き、彼女はまた稲妻を纏う。
「ねえ、おとうさん。どうしてお父さんは満たされていないと思う？こんな箱庭で、友達はみんな死んで、娘にまで拒まれたからだと思う？」
地面を蹴って、彼女は天高く飛び上がる。そして父の顔をまともに見て、彼女は優しく微笑んだ。
「自分より大事なものがあるって、なんて素敵なんだろう！」
ああどうして。
自分が造った完璧な世界にいるよりも、彼女は。
壊れてしまったのだろうか。
それとも壊れていたのだろうか。
そうに違いない。そうじゃないならおかしい。
もしそうじゃないなら。
私が造ったこの、楽園は。
私に意思を残して死んだ同胞たちは。
私のために死んだ娘は。
インマヌエル。神と共にいる者よ。お前は私の子。私の望み。
ドミヌスがゆっくり手を伸ばす。それを叩き払って、Aは稲妻で槍を作った。
黄金色の彼女の髪と同じ色。平たい刃渡は50�冂�。
「“メメントモリ”(そして死ぬ)」
彼女の槍はドミヌスの胸を貫いた。
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メルト(プロフ) - どでぃさん» ありがとうございます！本当はスパヒ始まる頃に終わらせておくつもりでした！無理でした！ (2022年7月28日 22時) (
レス) id: 465e22fbd6 (このIDを非表示/違反報告)
どでぃ - 面白いです！すっごい続き気になってます、更新頑張ってください。 (2022年7月28日 11時) (レス) @page49 id: 8e1c6e0d2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メルト | 作成日時：2022年5月3日 0時
