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ギャラルホルン、終焉の笛。鐘と響くファンファーレ。風が運ぶ緑の深い香りと日光の幸福。この世の終わりとは儚くも美しい。
Aは全身がかき混ぜられるような不快感に襲われて絶叫し、悟空の腕中から逃げ出そうと藻掻いた。
「うあああああ！！！あああああ！！！！いやだ！いやだああああ！！！！！」
2人の耳に届くのはただの美しい演奏会だった。鐘に乗せられた旋律はロイヤル育ちのベジータには上質なものだと評価されるほど。悟空でさえ綺麗だと思うその音色に、泣き喚くA。
「カカロット、瞬間移動だ！」
「無茶言うなウィスさんの気なんて読めねぇ！」
そうしている間にドミヌスが下りてきた。武空術を使えるように彼は浮いていた。
泣いているAのぼろぼろな顔を見て、彼はふっと息を吐いた。
「それを返しなさい」
今ならまだ許してあげよう。
嗚呼なんて傲慢な！まだ自分が神だと思っているのか！
悟空は彼女を背中に背負い、睨みつけた。
「オラ、おめえが何のためにこいつをここに閉じ込めてぇんかぜんっぜん分かんねぇけんど…こいつを渡すなんて、そんなことできねぇ」
「私のための私の娘だ」
Aがトランクスと悟天と遊んでいる様子を知っている。ブルマにだけ甘えていることも知っている。悟空は彼女の手の上に自分の手を重ねて、握りしめた。穴は塞がっていない。
「オラこいつが笑える場所を知ってんだ」
ベジータがブルーになって、海中時計を投げ捨てた。落下していく時計には誰も見向きもしない。
「カカロットと同じことは思わんが、俺は貴様が気に食わん。娘を物扱いし、こんな箱庭で満足しているお前などかつて宇宙の征服を目指していた俺には到底相手にならん」
「…今お前たちが触れているそれは、食せば知識を得られる理解の実。だがそれは今に善悪の実から命の実に変わる。このエデンの活動を継続させるためのタンクとして、それは永遠にここにいる。だが…」
ドミヌスは両手の掌の上でカラカラと白い立方体を作り出した。その立方体はさらに小さい立方体に分裂し、最終的に全く透明な水の輪になり彼の手の周りを踊った。
「お前たち二人をこのエデンに迎え入れても良い。好きなだけ争い好きなだけ食べることを許そう。それと共に夜を明かすことも、私が」
「勝手なこと言うな！」
割れるような甲高い声で怒鳴ったのはAだった。音に酔って震えて、彼女は黒い肌を青くして見上げた。
「わ、…私、私が決める。生まれはそっちで、決めた、あとは、私が…うぇッ…」
ずり落ちそうになる手を、悟空は握りしめて、彼もまた青い神の気を纏った。
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メルト(プロフ) - どでぃさん» ありがとうございます！本当はスパヒ始まる頃に終わらせておくつもりでした！無理でした！ (2022年7月28日 22時) (
レス) id: 465e22fbd6 (このIDを非表示/違反報告)
どでぃ - 面白いです！すっごい続き気になってます、更新頑張ってください。 (2022年7月28日 11時) (レス) @page49 id: 8e1c6e0d2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メルト | 作成日時：2022年5月3日 0時
