検索窓
今日:16 hit、昨日:60 hit、合計:15,375 hit

5 ページ5

「よっ、ベジータ!ウィスさんとこ行こうぜ!」
瞬間移動でいつものように現れたアホヅラにベジータは心底嫌そうに眉間に皺を寄せた。Aを抱きかかえたままうるさいと罵る。
しかし言われた彼は何も気にしていないらしく、目の前にある宝石の生命体に興味を向けた。
「おんめぇ起きたんか!うひゃあ、こりゃ、たまげたな!金ピカで眩しいや!」
突然来た悟空にAは怯えてベジータにしがみつき縋った。意外に重い彼女でも、サイヤ人にとってはなんてことはない。
悟空ではなくベジータを頼りにした、というその事実だけでベジータはなんとなく得意げな気持ちになった。
「ほら、怖がっているだろう、あっち行け」
しっしっと手をやるとその動作に悟空は、今度は心底びっくりしたアホヅラを晒した。
「ベジータ!?おめぇ浮気か!?ブルマに殺されちまうぞ!?」
「違うわこの間抜け!良いから消えろ!」
「おめぇ名前は?オラ孫悟空」
「このっ…」
「A…」
「答えなくていい」
「へぇ、そうなんか。どこの星から来たんだ?」
「エデ」
「A!」
「ごめんなさいべじーた」
「なんだよベジータぁ」
Aがモゾモゾと降りて、ベジータの後ろに隠れる。そもそも大きすぎて隠れきれていない。
照れ屋なのか恥ずかしがり屋なのからどちらにしてもAに対する興味が、悟空の中から消えることはない。
「オラのこと、怖いか?」
「…怖くない」
「じゃあ、こっち来いよ」
「…ごくー、齧らない?」
「齧る?齧ったりするもんか。ほら、来いよ」
ベジータに顔色を伺うようにすると、ふんと鼻を鳴らされるばかりで何も帰ってこない。
ベジータからそっと離れて、太陽の下へ顔を出す。眩しさが一層輝き、彼女は悟空に抱きついた。
「うお、ははは、冷たいなぁ!」
「…ごくう、は」
「うん」
「べじーたより、大きい」
「うるさいぞ」「なはは!」
「ごくう」
「ん?」
「助けてくれてありがとう」
「あっ、おめぇ覚えてたんか!?」
Aは首を横に振る。それからやはり鈴の音と聞き間違う美しい声で「知ってる」と答えた。
2人が首を傾げるとAは悟空から離れてトランクスと悟天のところへ向かった。2人は心配したよとはしゃいでいる。今度は魚が寄ってくるか試すらしく2人に手を繋がれて山の方は消えていった。
「ベジータ」
「なんだ」
「なんであいつのこと、守ったり庇ったりしたんだ?」
「…さあな。俺にもわからん」
彼は子供たちの後を追うように飛び上がっていった。

6→←4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (15 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
29人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

メルト(プロフ) - どでぃさん» ありがとうございます!本当はスパヒ始まる頃に終わらせておくつもりでした!無理でした! (2022年7月28日 22時) (レス) id: 465e22fbd6 (このIDを非表示/違反報告)
どでぃ - 面白いです!すっごい続き気になってます、更新頑張ってください。 (2022年7月28日 11時) (レス) @page49 id: 8e1c6e0d2a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:メルト | 作成日時:2022年5月3日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。