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鐘が響く。
10分おきに鳴る美しい鐘の音が3回。
穏やかに緩やかに話す悲劇的な過去は同情を誘うにしても相手が悪かった。ベジータはイラつきを隠さないで貧乏ゆすりをしていた。
「じゃ、お前の娘っちゅうのは、Aなんだろ?あいつ生きてんじゃねえか」
「あれは私たちが作り出したこの星の中核だ。そこに私の娘をモデルに人格形成プログラムを施した。本来あれは動き出すには早すぎたし、世界を知り過ぎた」
「じんかくけいせ…なんかわかんねぇけど、結局お前もあいつも何なんだ?」
キリッとした顔をしているが悟空はつい最近働くことを覚えたサイヤ人で、ベジータほど教養もない。
「要するにお前もあいつもロボットだってことか」
ベジータの言葉に一番驚いていたのは悟空だった。
「あいつが!?確かに人間っぽくはないけど、動きもまんま人間じゃねえか!」
「ロボット…機械仕掛けという意味ではその通り。私は完全支配型AI、そして、あれはバックアップを兼ね備えた自律型エネルギータンク」
「え!?何!?」
「ふん、つまりお前らの言う楽園というのは、人工的に生み出された夢の園…というわけか」
「なんだよベジータずりぃよ!説明してくれよ!」
「ただの人間がこんな星を作れるとお思いか。これは俗世を忘れるための桃源郷。我々の尽力あっての楽園。しかし、我が同胞たちはマナ人とは違い寿命が長くて200年だった。この星に残されたのは私と彼らの知識のみ」
「?????」
「しかしお前ももう生きてはいないのだろう?それに知識が必要ならどうして人間を作らない。文明は人間あってこそだ」
悟空は諦めて黙って見届けることにした。
「人間に絶望した我らがどうして人間を作りましょうか。人間は穢れているでしょう。アダムとエバも同じ道をたどり今は死んでいる。2人の子孫は今はとてつもない数に膨れ上がり、これから破滅する。エデンの外では死あるのみ」
「はっ。それが生き物として正しいあり方というものだ。それを美しいと思うAは健全に育ったようだな、お前の蛇のおかげで」
「ええ。蛇はよくやってくれました。あれをあそこまで人に近付けたのは紛れもなく蛇の賜物。しかしあれを穢したのもまた蛇」
「Aの話を聞く限りでは蛇もただの蛇じゃないな」
「無論」
「…なんだ、お前が作った楽園にいる生き物は」
「彼らが同胞たちの記憶です。輝かしい記憶を有している。もっとも蛇には空虚な知を与えました」
なるほど、つまりは。
「墓場だな。ここは、楽園なんぞ綺麗なものでなく」

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メルト(プロフ) - どでぃさん» ありがとうございます!本当はスパヒ始まる頃に終わらせておくつもりでした!無理でした! (2022年7月28日 22時) (レス) id: 465e22fbd6 (このIDを非表示/違反報告)
どでぃ - 面白いです!すっごい続き気になってます、更新頑張ってください。 (2022年7月28日 11時) (レス) @page49 id: 8e1c6e0d2a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:メルト | 作成日時:2022年5月3日 0時

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