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ウィスと飛んで1時間半。宇宙で1番早い天使の移動ですらその時間がかかる。地球の空には唯一無二の太陽が輝いており、ニュースは謎の天体に関する憶測で賑わっていた。
この1時間半、誰も碌なことを喋ろうとしなかった。ウィスを貸し出したビルスでさえ、見送る際は嫌味の一つも言わなかった。
「これから行く場所は、神々の領域を外れた独立した一つの宇宙です」
ウィスがそう静かに口を開いた。
「我々の理とはまったく違います。それをお忘れなく…」
「わかってるさ」
悟空の声はいつものような期待を孕んではいなかった。
1時間半を経てエデンの上空に辿り着き、サイヤ人2人はそれを見下ろした。
エデンはごく自然に溢れた地球そのものだった。
確かに人間は見当たらないが、兎や鼠、鳥、果てはドラゴンまで、第7宇宙にいる動物は一通り目につく。
悟空たちを下ろしてウィスは見慣れない時計をベジータに渡した。見慣れない魚が3匹見える。
「これはなんだ」
「海中時計です。その中にある魚は全部でその魚は、小さいものから順に1時間ごとに死にます。彼らが死ぬまでに、用事を済ませてください」
小さな海の中をサイズの違う青、黄色、赤の魚が悠々と泳いでいる。1番大きな赤の魚と目が合った。ベジータは舌打ちをし、「趣味の悪い時計だ」と言いながらジャケットに仕舞った。
「ようこそいらっしゃいました、第7宇宙のエデンの方々」
ざわりと耳に不快感を残す無機質な声。気配すら感じなかった2人はほぼ無意識に身構えた。
そこには白い羽に白い衣に白い肌、白い髪の毛に瞳のない白い目を持つ男だか女だかわからない奴がいた。
「遠いところからよくいらっしゃいました。こちらはどうぞ、父はあなた方のことをよく知っています」
「…ほぉ、俺は何も知らんのだがなぁ。先に教えるのが筋じゃないか？」
ベジータは煽るように小首を傾げながら不敵に笑った。
「私はただの案内人。父に仕える下僕で御座います。父はかのエデンの創造者に御座います。ベジータ様、カカロット様、父があなた方を歓迎すべく食事の場を用意しています」
「オラ孫悟空だ」
「左様ですが、しかしご両親から頂いた名はカカロットです。私たちはその名であなたを認識しています」
ウィスは我関せずと静観していた。
悟空たちはふと見上げて同じく絵に描いたような天使の集団に囲まれていることに気づいた。何か下手なことをすれば一斉に攻撃するつもりらしく、弓を引いている。
2人は目配せをして、その案内人について行くことにした。
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メルト(プロフ) - どでぃさん» ありがとうございます！本当はスパヒ始まる頃に終わらせておくつもりでした！無理でした！ (2022年7月28日 22時) (
レス) id: 465e22fbd6 (このIDを非表示/違反報告)
どでぃ - 面白いです！すっごい続き気になってます、更新頑張ってください。 (2022年7月28日 11時) (レス) @page49 id: 8e1c6e0d2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メルト | 作成日時：2022年5月3日 0時
