検索窓
今日:18 hit、昨日:60 hit、合計:15,377 hit

30 ページ30

ブルマとAは一緒に寝ている。起きる時は大抵、寝たふりをしたAがブルマにおはようと挨拶しながら目を覚ます。
別荘でもそれは変わらない。
ベジータと寝ても構わないし、悟空と寝てもいいと言ったのだが、彼女は頑なにぶるまさんが良いと言った。そう言われたら悪い気はしない。ブルマはそのまま彼女と寝ることにした。
今日も白夜だ。
しかし朝になると太陽は一つしかなく、Aは先に目覚めたらしくベッドから居なかった。ただ抜け殻のように服が転がっていた。
ひたすらに嫌な予感だけを感じ取って、ブルマはベッドから飛び降りて、早朝4時の別荘地をパジャマのまま駆け回った。
「A!Aどこ!!」
名前を呼びながら走るブルマに、もともと野蛮なサイヤ人が目を覚さないわけがなく、30分も経てば全員がAを探し求めていた。
ベジータと悟空があーしろできないこーしろ無理だと問答を繰り返している。光玉は形跡も残さず消えていた。そもそも彼女には気がない。こちらから彼女に対して何かできるとは思えなかった。
「たしかエデンって宇宙と宇宙の間を移動するんですよね」
手を貸せと呼び出された悟飯とピッコロが眉間に皺を寄せている。
「そうなると、父さんの瞬間移動でも無理ですよね」
「そもそも不定期にワープするとなると、どこにいるのか捕まえるのも難しいだろう。正直言って、地球規模ならなんとでもなるがこうなると…」
「そんなことばっかり考えないで!あの子を探して見つける方法を考えなさいよ!」
ブルマの叱責…というか横暴に、2人は押し黙る。
「どうかされましたか?」
動揺する様子もなく、飄々としたウィスが訳知り顔で尋ねてきた。

全員が寝静まったのを耳を澄まし、感知してからAはベッドからこっそり抜け出て服を脱ぎ、窓を開けて、4階から地面に降りた。
音一つしない着地と、やはり誰も起きていないことを確認して、ゆっくり歩き出した。
「どちらへ行かれるんです」
ぴたりと足を止めて振り返ると、そこにはウィスとビルスがいた。眠そうなビルスを一瞥して、Aは誤魔化すように微笑んだ。
「寝てていいのに、どうしたの。こんな時間に」
「それはこちらのセリフですよ。…原罪の象徴さん」
Aは今度は困ったように笑う。全裸でも臍以外なにも見当たらない体が、骨の隆起すらも美しい。
「それ、嫌い。やめて」
「そうですか」
Aはじっとブルマのいる部屋を見つめた。
光玉の光すら遮断するカーテンしか見えなかった。

31→←29



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (15 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
29人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

メルト(プロフ) - どでぃさん» ありがとうございます!本当はスパヒ始まる頃に終わらせておくつもりでした!無理でした! (2022年7月28日 22時) (レス) id: 465e22fbd6 (このIDを非表示/違反報告)
どでぃ - 面白いです!すっごい続き気になってます、更新頑張ってください。 (2022年7月28日 11時) (レス) @page49 id: 8e1c6e0d2a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:メルト | 作成日時:2022年5月3日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。