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がらーん、がらーん、と美しい音が響く永遠の明星。
鐘が鳴る度にAは動きを止め、泣くのを我慢して、遂に泣いては鐘が止む。
悟空の側で座って、彼の服をぎゅっと掴み震える様は子猫のようだった。
「怖ぇんか」
「うん…」
「良い音だと思うんだけどな」
悟空は怖がらせないように彼女の頭を撫でた。細い毛が自発的に揺れている。彼女の体は彼女の付属品ではない、彼女の体そのものが命だ。
「怖い」
Aのほうが背が高いし、大きい。それでも小さく見えるのは、鐘の音に怯えているためだけではないと思う。
「体がザワザワする。ぜ、んぶ、崩れそうになる」
蛇を殺した父親が放つ鐘の音。
悟空は祖父を踏み潰して殺したことを思い出した。
初めはわからなくても気づくとどうしようもなく苛まれた日もあった。ベジータの大猿の悍ましさを目の当たりにした時、祖父さ何を思ったのだろうと思案した。
服を掴み頭を擦り寄せ、Aは悟空の名を呼びながら痛いくらいに抱きしめる。
「おめぇよ」
悟空は彼女をずるずると動かして膝の上に乗せた。泣きそうになっている。彼女の目元を擦ってやった。
「父ちゃんがそんなにこえーんか」
「怖い」
「ならなんでブルマとブラを助けたんだ？」
別荘で、いまブルマとその家族はここにはいない。広いリビングルームに2人きり。
「な、んでって、だって…」
「うん」
「だって…だって、ぶ、ぶるまさんは、ぶらも、死んでほしくなかった…」
「それだけか？」
「えっと…えと、…だ、…」
「…」
Aははっとして、目線を悟空に合わせ、慌てた様子で身振り手振りで説明し始めた。
「大好きだよ。みんな好き。ぶるまさんは優しいし、かっこいい。ぶらもとらんくすも、ごてんも、小さくて好き。小さくなくても好き。ごはんも優しい、ベジータはもっと優しい。ごくーも好き！私の話、聞いてくれるし、私のこと、抱っこしてくれる」
「それで、だから」
「だから…それで…それで、みんなに、死んでほしくなかった。ともだち、だから」
「そうか」
悟空は彼女の頭を優しく撫で、耳を塞いでやった。
鐘の音はまだ鳴っている。少しだけ彼女の顔が綻んだ。
「ごくーの手、好き。みんなの手、あったくて好き」
「おめぇは冷てぇもんな」
光玉の中に引きこもってる親父に、これを返して良いものか。ベジータは返すつもりはないだろう。
何を隠そう自分もそのつもりだった。
こんなに綺麗なものを悲しませるなんて、潰したほうがみんな幸せだ。
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メルト(プロフ) - どでぃさん» ありがとうございます！本当はスパヒ始まる頃に終わらせておくつもりでした！無理でした！ (2022年7月28日 22時) (
レス) id: 465e22fbd6 (このIDを非表示/違反報告)
どでぃ - 面白いです！すっごい続き気になってます、更新頑張ってください。 (2022年7月28日 11時) (レス) @page49 id: 8e1c6e0d2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メルト | 作成日時：2022年5月3日 0時
