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日が昇ってふたつの太陽が海に浮かんでいる。
西の都から1200キロ。ブルマの別荘地…いや島。そこへ早朝から乗り物に乗って向かう。
人に見られることはない。ブルマとは権威そのものかもしれない。操縦席にブルマと、その隣にウィス、そして後ろにはAと悟空、ベジータ、ビルス。どうして破壊神とその付き人たる天使がいるのか。
「へーぇ、これが知恵の実ねぇ」
「ビルス様。失礼ですよ」
ビルスはAの頬をびいと引っ張って伸ばす。痛みはないのか、彼女はされるがまま、初対面の相手を怖がって悟空の側から離れない。見目麗しい少女の頬を不躾に伸ばし続けるビルスをたしなめるだけで、ウィスは止めようとはしなかった。
「ビルス様ー、あんま怖がらせねぇでやってくれよ」
漸く悟空が止めて、Aの頬をよしよしと言いながら撫でた。髪の毛を巻き込みながら撫でて、生糸のような美しい髪の毛の肌触りが異常に良くて、悟空はだんだん感心しながら髪の毛や頬を揉み始めた。
「どけカカロット」
「なんだよベジータ」
「いいから代われ」
「なんだ、おめぇもやりてぇんか！気持ちいいぞこれ！」
大き目の舌打ちをしながら、ベジータはそっとAの頬を引っ張った。引っ張れば引っ張るほど伸びる。柔らかくて冷たくて、毛は蛍の光を糸に束ねたように美しく、手触りが良い。
ベジータも感心し始めたところで、Aの方からベジータの手に擦り寄った。
驚いて固まるベジータと、それを見て笑う悟空。手が止まったことに戸惑うAはしゅんとして頭を差し出した。
2ｍ超えてて、誰もが目を惹く美しさで、このあどけなさ。こいつの父親はとんでもないものを抱えている。
ベジータはおずおずと、朝と同じように不慣れな手つきでAの頭を撫でた。ついでににやつく悟空を殴った。
「なあこいつ美味いのか？」
ビルスの言葉に飛び上がってベジータと悟空の後ろに隠れた。
「た、たべちゃだめ、だよ」
「ふーん、なんで？」
「あ、えっと」
「食べれば知恵がつく善悪の実。通称知恵の実。…食べてみたいねえ」
「ち、知恵がついたって、変わんないよ…」
「は？僕がバカだって言いたいの？」
「違うけど、あの、ね」
悟空が空気を読まず振り返った。
「そういやお前、前齧られたって言ってたよな。どこ齧られたんだ？」
「ここ」
「腹？」
「見る？」
「おう」
白いワンピースをたくし上げようとするAと悟空の頭を、ベジータが「バッ、！」と言葉を言い切る前にそこそこ強めに殴った。
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メルト(プロフ) - どでぃさん» ありがとうございます！本当はスパヒ始まる頃に終わらせておくつもりでした！無理でした！ (2022年7月28日 22時) (
レス) id: 465e22fbd6 (このIDを非表示/違反報告)
どでぃ - 面白いです！すっごい続き気になってます、更新頑張ってください。 (2022年7月28日 11時) (レス) @page49 id: 8e1c6e0d2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メルト | 作成日時：2022年5月3日 0時
