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外装は黒曜石、その内側は高分子生体維持装置…またの名を、ナノマシン。さらに内側は地球由来ではない非常に高温な、粘度の高い黄金に光る液体が満ちていた。
冷めるまでにも時間を要したが、それでもあまりに粘度が高く、試験管に分けることが非常に困難で、少し吸い取るのも時間が掛かった。
軽く成分解析にかけると、先日Aが食べた食べ物が混じっていた。つまりこの液体はAが生きる上で必要なエネルギータンクだ。
さて、そうなってくると表面の黒曜石も怪しい。
ただ単に黒曜石なのか。思い切り叩いても腕は砕け散らない。Aに了解をとってベジータが全力で蹴ってようやくヒビが入った。が、それも瞬く間に修復された。
外装の黒曜石は結果論だ。おそらく、ナノマシンがこの表面で結合している。ブルマの見解はそのようになった。
ヒビが入る瞬間に自動的に結合し、何事もないようになっている。そうなれば彼女の体はもはや液体と個体の性質を兼ね備えていると言わざるを得ない。
しかし、これらは地球の技術では再現できない。
できればどれだけ便利なことか、これは腕や足を失った人間に完璧な義手義足を与える。
一晩でここまで解明したAの正体は、やはり皆目見当もつかない。しかし、ただの宇宙人というにはあまりにも機械仕掛けだ。
ブルマは頭を抱え、不思議なこの異星人に心躍るまま解析に没頭した。
そんな彼女を待って、Aは朝になっても眠らずに、悟空のいびきを聴きながらAは何度目かの白夜を見ていた。テーブルの上はすでに使用人たちが片付けて何もない。
「起きたのか」
ベジータが早朝から牛乳を飲みにやって来た。寝汚い悟空を見て舌打ちをしている。
Aは「寝てないよ」と答えた。
「ぶるまさん、待ってるの。腕、私寝てたら困るでしょ？」
「ふん。お前も飲むか」
「飲む」
片手で簡単にコップを一周してしまいそうな、その掌。
善悪とは何か。
知恵とは何か。
エデンにいたのは、正しいことか。
これを齧ればわかることなのか。
ベジータは牛乳を飲もうとしたAの手を掴んだ。
振り払うこともできるだろうに、そうしないのは彼女が無知だから。無知で、純粋で、エデンにいたから。
「お前は」
「？」
首を傾げて、Aはおずおずと頭を差し出した。なんのことかと思ったが、ブルマがあまりにも彼女の頭を撫でるから、おそらく勘違いしたのだろう。
前の自分なら構わず食いちぎろうと口を開いたところだろうが、今は思わず笑って、彼女の行動に従い頭を撫でるだけだった。
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メルト(プロフ) - どでぃさん» ありがとうございます！本当はスパヒ始まる頃に終わらせておくつもりでした！無理でした！ (2022年7月28日 22時) (
レス) id: 465e22fbd6 (このIDを非表示/違反報告)
どでぃ - 面白いです！すっごい続き気になってます、更新頑張ってください。 (2022年7月28日 11時) (レス) @page49 id: 8e1c6e0d2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メルト | 作成日時：2022年5月3日 0時
