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泣いて座り込んだAを、悟飯はどうすることもできなかった。
「どけ」
そう言って彼を押し退けて、彼女を風呂場に投げ入れたのはベジータだった。
「さっさと入れ」
「…ひとり？」
「そうだ、嫌ならブルマを呼んでやる」
わしゃわしゃと髪をぐしゃぐしゃにして、ベジータはバタンと扉を閉めていった。
ぽつんと1人残されたAは勝手がわからぬまま水を出して、頭からかぶった。泥をとりあえず落として、それから服を濡らして、それも土を取り除いた。
シャワーは出しっぱなしのままだった。
「髪の毛を分析してみたんだけど、びっくりよ。なんと髪の毛の中で常に核融合が起きてる」
「ブルマさん、それってどういう…？僕、生物系なもんで…」
「もう、学者の卵ならこれくらい知っときなさいよ。つまり、あの子の髪の毛一本が、莫大なエネルギーを持ってるってこと。大きさでいうと、太陽くらいかしら」
「う、うひゃぁあ！そりゃあんなかめはめ波出ますよね！」
悟飯を触らせて、ブルマは資料片手に鼻息荒くマシンガントークを繰り出す。悟空は後ろでへろへろになってソファで溶けている。どうやらブルマの話を無理やり相手にされたらしい。
「体の黒曜石は、完全な黒曜石に違いないけど、これだけの高エネルギーを保持し続けるなんて、正直考えられないわ。何から供給を受けているのかしら。そもそもどうやって体を動かしているの…？ちょっと悟飯くんも考えて」
「ぼ、僕じゃ力不足では…？」
「あんたのお父さんとうちの旦那よりマシよ」
「いひゃぁ」
その時、がちゃりと扉が開いた。
タオルで体を拭いていない、濡れた服を着たままのAがやってきた。濡れたせいで僅かな胸の膨らみにシャツが張り付いている。
ブルマが慌てて立ち上がって、そばにあったシーツで彼女を巻いた。
「もう、呼んでくれたらよかったのに」
隙間から顔を覗かせて、Aは「何のお話ししてたの？」と問いかけた。
悟空がよっと片手を上げて挨拶した。
「おめぇの体のことだよ。どーなってんだって、気になってるみてーだ」
「…知りたいの？」
Aはブルマを見下ろして、首を傾げた。
「え、ええ、まあ」
「…」
ごとん、と重そうな何かが生まれ落ちた。
Aはシーツの隙間から手を出してそれを拾い上げた。
「はい」
「…」
それはAの左腕だった。
「終わったら返してね」
Aはまたあの下手くそな笑顔を浮かべた。
ブルマの悲鳴が響き、悟空は余計なこと言っちまったと頭を掻き、ベジータは驚愕して唖然とし、悟飯は目を輝かせていた。
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メルト(プロフ) - どでぃさん» ありがとうございます！本当はスパヒ始まる頃に終わらせておくつもりでした！無理でした！ (2022年7月28日 22時) (
レス) id: 465e22fbd6 (このIDを非表示/違反報告)
どでぃ - 面白いです！すっごい続き気になってます、更新頑張ってください。 (2022年7月28日 11時) (レス) @page49 id: 8e1c6e0d2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メルト | 作成日時：2022年5月3日 0時
