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そのまま続きをやろうとして、悟空は全員から止められた。街が滅ぶどころではない。
肉弾戦だけでもと駄々をこねる悟空をよそに、悟飯は彼女の手を引いてバスルームへ案内する。
「凄かったですねぇ。あれ。ほんと僕びっくりしちゃいました。Aさんいなくなっちゃうんですもん」
「私もびっくりした。急に夜になった」
「あはは！Aさんから見ると、そうなっちゃうんですね」
悟飯はなんとなく、異星人としての興味はあれど彼女自身に興味を持つのは失礼ではないかと思い遠慮していたのだが、それを少し後悔している。
ビーデルよりも美しい。それは確かだ。しかし彼女は美しくて、幼くて、あまりにも恐ろしい。
ニュースになっていた宇宙からのプリンセス。
「強いんですね」
街一つ消すくらいどうってことないのだろう。悟飯は冷たい彼女の手を離したくなったのに、離せなかった。
「強い？」
「強いですよ。あんなの、普通できません。僕だって、いままでに一回が限界だったし…」
セルと対峙したとき、父と2人で作ったかめはめ波。限界を、限界を、さらに限界を超えた魂の同一化。命をかけた最後の一撃。
それに匹敵するくらいのものを、彼女はあっさり出してしまったし、なんならけろっとしている。ほんの少しだけ悔しい。
「…戦うの？」
Aは足を止める。悟飯も同じように足を止めた。
「はい？」
「お、お父さんと、私。戦うの？」
「いや、それは…知りませんけど」
ブルマから簡単にことを聞いてはいた。上空の2つ目の太陽。あの光玉は彼女の父なのだと。
「や、やだな、怖い。強くても勝てない。強いのも全部お父さんが作ったんだもん、できない」
「…」
「強いと、戦わなきゃダメなんでしょ。人間も、動物も、みんなそうだった」
「…あなたの、お父さんって、どんな人なんですか」
ぎゅうっと、悟飯の手を握り潰さんばかりに力を入れるAは、ゆっくり膝を曲げて、床にぺしゃりと座り込んでしまった。天使を2体殺したのは誰だったか。忘れそうになる。
「自分勝手なんだよ、私を閉じ込めて」
座ると彼女の足の長さがより目立つ。
ざわつく心臓を見ないふりをした。
「齧った人間を追い出して。最後の子たちだったのに」
「…最後？」
聞き返した悟飯の言葉を遮るように、鐘の音が響いた。Aの顔がこわばって、悟飯の手を掴み、祈るように目を閉じた。
美しい鐘の音だった。
こんなにも不愉快に感じるほどの、この世ならざる鐘の音だった。
Aの呼吸が止まって、泣き出すまで、金は鳴り続けた。
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メルト(プロフ) - どでぃさん» ありがとうございます！本当はスパヒ始まる頃に終わらせておくつもりでした！無理でした！ (2022年7月28日 22時) (
レス) id: 465e22fbd6 (このIDを非表示/違反報告)
どでぃ - 面白いです！すっごい続き気になってます、更新頑張ってください。 (2022年7月28日 11時) (レス) @page49 id: 8e1c6e0d2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メルト | 作成日時：2022年5月3日 0時
