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最初に動いたのはAだった。
小さく体を前傾させ、地面を蹴ったかと思うと、一瞬で悟空の前に詰め寄った。そのスピードたるや稲妻を連想させる。ぐっと握られた拳が目の前に突き出された。
しかし悟空も伊達に戦闘経験を積んでいない。その拳を寸でのところで受け止める。しかし悟空の体は後方へ吹き飛ばされる。気合いで止まるも、そんなに大きな力ではなかったはずなのに、全身が元気玉を受けたようにビリビリと痺れている。
驚愕した面持ちで自分の震える手を一瞥し、拳を握り直し、地面を蹴って滑るように彼女の方へ向かった。こちらも稲妻のように速い。
ゆらりと彼女は体を揺らして、手を伸ばし、掌は地面に向けた。そのままくい、と手首を上に向けて曲げる。悟空の真下の地面がボコ、と盛り上がり、蛸のような足がたくさん出て彼を捕まえようとかかってくる。
そんなこともできるんか。悟空はにやりと笑って足をよけつつ上空に上がって、気弾でそれらを破壊した。空から降ってくる土にAは少しムッとした顔を見せる。
「おい、A！どうせならよ、こういうのやろうぜ」
そう言いつ両手の掌を、後ろに引いて構える。
「かめはめ、波ぁッ！！！！」
そこまで威力は高めていない。
当たっても、彼女なら死にはしない。
さぁ、どうする。避けるか、弾くか。あるいは、相殺。
話に聞いた黄金の弓矢を使うか。
Aは地面とブルマをチラリと見て、悟空の放ったかめはめ波の玉に向き直った。
こういうの。こういうの。これ、みたいなの。
Aは悟空の真似をしてかめはめ波の構えをとる。
「かめかめ」
着弾する直前。
「はっ」
ボッ。
それは悟空のかめはめ波が飲み込まれた音だった。
火柱のような、龍のような、黄金の柱がAと悟空を結ぶ線のように伸びていく。
悟空とAの戦いから街を守るためのシールドが一瞬で破裂し、ブルマも悟空も同じ顔をしていた。
暴風よりもひどい空気の乱れがカプセルコーポレーションを中心に町へ広がっていく。
「いぃッ！？！？」
当たる範囲も大きい。当たったら絶対死ぬ。悟空はデタラメに瞬間移動して、ベジータの上に乗り、潰れる。
Aのかめかめはは宇宙に向かって飛んでいった。
「や、やばかった…わりぃベジータ」
「さっさと降りろ！」
悟空が視線で追いかけたAは、元の場所にはいなかった。ただ、そこにはえぐれたような穴があって、数秒後キョトンとした顔で穴から泥だらけのAが這い出てきた。
「急に真っ暗になってびっくりした」と。
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メルト(プロフ) - どでぃさん» ありがとうございます！本当はスパヒ始まる頃に終わらせておくつもりでした！無理でした！ (2022年7月28日 22時) (
レス) id: 465e22fbd6 (このIDを非表示/違反報告)
どでぃ - 面白いです！すっごい続き気になってます、更新頑張ってください。 (2022年7月28日 11時) (レス) @page49 id: 8e1c6e0d2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メルト | 作成日時：2022年5月3日 0時
