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悟空とベジータが慌てて帰ってきたときには、街への被害は最小限のものだった。
少々窓ガラスを失った家や、押しつぶされたような屋台は見受けられるが、Aほど激しい傷を負った人間はいなかった。みんな死んでいるから。
「こりゃ…てぇへんだ」「…」
その言葉は大きな亀裂が額にあるAに向けて放たれたものだった。カプセルコーポレーションの一室で、正座させられてブルマにこれでもかと叱られてしょげているA。人工皮膚はズタボロで、新しいお高い服も靴も目も当てられない様になっている。その傍では何も知らない子供たちが庇っている。
「あんな危険な着地するなんて!頭のヒビどうすんの!割れたらどうするつもりだったの!!」
「だって、突然、だったし。2人は怪我したら、死んじゃうし」
「それでも1人で…!もう、本当に心配したのよ!?すごい音だったんだから!!」
「もういいじゃん、ママ!こんなに反省してるし!」「そうだよブルマさん。怒りすぎだよ」「ごめんなさい、ぶるまさん」
「〜ッ!…あ、ベジータ。孫くんも」
やっと2人に気づいたブルマに悟空も気まずそうに笑いながら手を振った。ベジータは目を合わせようともしなかった。

事のあらましを聞いた2人はまじまじとAを見た。彼女は初対面の時のように、恥ずかしそうに目を逸らし、トランクスと悟天の後ろに隠れた。
「へぇー!おんめぇ強ぇんか!全然わかんなかった!」
「気はないしな」
「そういや表にミスターサタンの土でできた人形あったけど、あれもおめぇか?」
「あったな。趣味の悪いやつが」
「な!折角だから戦ってみてぇよ!外行こうぜ!」
「おいカカロット、こいつは怪我人だ。仙豆が先だろうがバカめ」
矢継ぎ早に何故か対戦することになってしまい、Aは回らない口で狼狽えている。トランクスがダメ!と2人に大きな声で叱る。悟天もAの首を絞めんばかりに抱きついている。
「ダメってよぉ、トランクス。そんなにAが気に入ったんか?」「ほぉ…?」
「ち、ちがうし!そうじゃなくて、今Aさんは外出ちゃまずいんだって。テレビ見て!」

『監視カメラに写っているのは、人間に擬態した宇宙人でしょうか、とても美しい少女の姿をしていますが…どう思われますかミスターサタン。彼女が侵略者なんでしょうか』
『う、うーん、えっと、そうですなぁ彼女は…き、きっと宇宙船から落っこちてしまったお姫様とかだろうな!』

訳知り顔を隠して、豪快に笑い飛ばすミスターサタンがゲストとして夕方なニュース番組に呼ばれていた。

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メルト(プロフ) - どでぃさん» ありがとうございます!本当はスパヒ始まる頃に終わらせておくつもりでした!無理でした! (2022年7月28日 22時) (レス) id: 465e22fbd6 (このIDを非表示/違反報告)
どでぃ - 面白いです!すっごい続き気になってます、更新頑張ってください。 (2022年7月28日 11時) (レス) @page49 id: 8e1c6e0d2a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:メルト | 作成日時:2022年5月3日 0時

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