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「きゃああーーー!!!」「ッ!?」
突風で飛ばされそうになったベビーカーからブラの服を掴み、高層階から落下するベビーカーを見送った。
飛び散ったガラスがブラとブルマの目に入らないよう隠す。突風に煽られて店内の椅子や机が飛んでくる。行儀悪くもテーブルに乗っているAは2人が怪我をしないように飛んできたものを片っ端から蹴り砕いた。
「ごめん!」
「きゃっ!?」
そう言い彼女を軽く上に投げて片手で担ぎ上げる。左腕の中にはブラがいる。こんなときでも笑って。
窓の外を見ると、羽の生えた人間が弓を引いてこちらに向けていた。矢に射られる寸前に躱して、机を蹴り、窓の外に向けて飛んでいく。ブルマが「わ、わ、わ」と言葉にならない声を上げている。
死んだ顔をした、無機質なその翼人間、もとい、天使に膝蹴りをした。首がもげて天使は煙を上げる。そのまま足場にしてさらに飛び上がる。
どこか良い足場は…無さそうか。このまま落下すれば衝撃に2人の体は耐えられないかもしれない。
「ちょ、ちょっ」
「平気だよ、大丈夫」
重力を感じる。そのまま垂直に落下する。
ブルマは叫びっぱなしだった。
ぐるりと体を前回転させデパートのガラス張りの壁を走る。左の面を目指して走り、滑り、ちょうど良い高さのビルを見つけた瞬間に蹴り上がる。衝撃でガラスの壁にヒビが入った。
「きゃああああ!!!!!きゃああああ!!」「きゃっきゃっ!」
ドッ、と背中に衝撃がきて、ビルに飛び移る前に体制を崩す。矢を射られたらしいというのはチラリと見て確認できた。
このままでは軌道がずれて足が屋上に届かないと知るや否や、そのまま体制を変えて壁に足をつけ、エネルギーを全て吐き出すようにもう一度蹴る。
衝撃波でビルの外装が砕け散る。
先ほどとは比べ物にならない速さで、隣の家に突っ込んだ。2人を庇う形で家の中に飛び込む際頭を強打した。
かすり傷はあれどほぼ無傷。高低差でブルマの耳は散々だが。
服はボロボロで、靴も跡形もない。しかも頭には大きなヒビが入っているのを、ブルマは見て青ざめた。
「A、あんた頭」
「気にしないで」
Aは背中に刺さった矢を引き抜き、床に投げ捨てた。
「気にしないでって、気にするわよ!こっち来なさい!」
髪を数本引き抜く。それは黄金に輝く弓矢に変わった。ブルマはぎょっとして、笑うブラを抱き締める。
天めがけて矢を引く。稲妻の黄金の光がヂリ、ヂリ、と漏れている。
彼女が矢を離した瞬間に、地面から稲妻が駆け上がった。
数秒後に真っ黒になった人型のものが落ちてきた。

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メルト(プロフ) - どでぃさん» ありがとうございます!本当はスパヒ始まる頃に終わらせておくつもりでした!無理でした! (2022年7月28日 22時) (レス) id: 465e22fbd6 (このIDを非表示/違反報告)
どでぃ - 面白いです!すっごい続き気になってます、更新頑張ってください。 (2022年7月28日 11時) (レス) @page49 id: 8e1c6e0d2a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:メルト | 作成日時:2022年5月3日 0時

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