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街の賑わいは異様なものだった。
酒の瓶がそこら中に転がり女を侍らせた男がいつもの三十倍はいる。西の都はブルマのような富裕層から一般階層の家庭まで様々だったが、今は皆同じ程度の知能に見えた。
屋台を出している肉屋の主人も、いつも喧嘩している魚屋の主人も、何故か仲が良さそうにしている。
「これも、Aのお父さんの影響なの?」
「さあ…」
世紀末だか終末だか、この街の人間はなにかとお祭り騒ぎが好きだからあまり関係ないかもしれない。
しかしまあ、めでたいめでたいと酒をかっくらう様はある意味気持ちの良いものだ。
眠るブラがいるベビーカーと、ブルマに連れられてデパートなる店の複合体へ足を運んだ。普通に営業していて、何なら来迎サービスと銘打って呼び込みが盛んになっている。仕事魂溢れる、この街の人間らしい振る舞いにブルマはほっとした。
「どこか、行きたいお店ある?」
「…ぶるまさんが好きなお店」
「あら、遠慮しなくて良いのよ?あんたが好きなお店、選んじゃいなさい」
Aは困ったように小首を傾げ、あたりにある店をじろじろと観察した。店員一同彼女の大きさと美麗さに凝視していた。
「わかんない」
「わかんないかぁ」
「みんな同じに見える」
「うーん、じゃあ、私の買い物ってことで。ついてらっしゃい」
からからとベビーカーのコマが回る。その音についていく白いパンプス。

「あっ!ブルマさん!」
化粧品を物色中の時後ろから声がかかる。振り返るとそこにはつるりとした坊主頭をヘルメットで隠し、胸にはPOLICEの文字。ブルマは「クリリンじゃない!」と驚いていた。
「何してるのよ?サボり?珍しいわね〜」
「そんなわけないじゃないですか。ほら、町がこんな有様なんで犯罪も起こりやすくって。ホント勘弁してほしいですよ」
目を覚ましてきゃっきゃと笑うブラと、彼女を膝に乗せてベンチで化粧品コーナーを眺めるAを、クリリンはようやく気づいた。
化粧品のコーナーは狭く、彼女は大きすぎると判断したのだろう。随分前に荷物持ちに駆り出されたピッコロも同じように扱われていた。いい意味でこの女は男女平等だ。
「あの子、楽しそうっすね」
ブラが笑うとAも笑う。長い指と長い足で遊ばせている。何か歌っているのか口元が緩んでいる。
「ねえ、クリリン」
ブルマが口紅を置いた。
「あの子がもし、地球が滅ぶ原因なら。私たち、どうすれば良いのかしら」
「さあ…悪い奴じゃないなら、ブウみたいに仲間になれるかもしれないっすねぇ」

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メルト(プロフ) - どでぃさん» ありがとうございます!本当はスパヒ始まる頃に終わらせておくつもりでした!無理でした! (2022年7月28日 22時) (レス) id: 465e22fbd6 (このIDを非表示/違反報告)
どでぃ - 面白いです!すっごい続き気になってます、更新頑張ってください。 (2022年7月28日 11時) (レス) @page49 id: 8e1c6e0d2a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:メルト | 作成日時:2022年5月3日 0時

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