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「…で、そったらな訳わかんねぇ女を連れてきただか」
「いやよ、こいつ寝てて起きねぇし。なあ悟飯」
「裸のままじゃ可哀想ですよ」
「きれーだねぇ。お母さん、見て、この人スーパーサイヤ人みたいに金ピカだぁ」
チチは呑気なサイヤ人どもに大きく派手な溜息を吐いて、その女を見た。
見目は女から見ても美しすぎる。それでいて金髪は縮れ、うねり、肌は黒曜石だ。軽い拒食症のような細い体は悟空の体と比べるとマッチのように折れてしまいそうだ。
そっと触れると冷たくて、鼓動を感じる。生きている、この女は。
「悟空さ、その女どうする気だか」
腕を組んで、彼女は悟空を半目で睨みつける。チベットスナギツネのような顔に悟空はちょっとだけ体を強ばらせた。
「え、いやぁ、ブルマんとこに連れてこうかなって、ははは…」
「こんな時間にだか」
「えっ、えーっと」
「…はぁ、土産持ってって、さっさと行ってけれ。このままじゃ悟天ちゃんが落ち着いて寝てくれねぇだ」
確かに悟天は目を輝かせて待っている様子だ。早く自分もその女をよく観察して触れて遊びたいと。
「わ、わかった。あんがとな!」
やっぱりこのチチとかいう女、只者ではないのだ。
サイヤ人を従えるなんて国王でも難しかったというのに。

「ふーん…体毛は黄金、体は黒曜石。間違いないわ」
青い髪に衰えを知らない美貌の持ち主、ブルマはコンピューターの画面から目を離さずにそう言った。
風呂に入っているところを突然現れた幼馴染と正体不明の女に腰を抜かし悲鳴を上げ、またカプセルコーポレーションで一騒ぎあったのだが気にしていない様子だ。
彼女の傍らには彼女の夫でサイヤ人の王子ベジータがいた。腕を組んで、悟空が運んできた女を見ている。
「でもおかしいわね。分子構造が完璧に黒曜石なのに、どうして体が人間みたいに動くのかしら。そういう芸術品?」
「惑星ベジータにも丈夫で伸びるプロテクターはあった。そういう奴がいてもおかしくないんじゃないか」
「ううん。あれは力が入ればそれだけ伸びるって構造でしょ。この子は、そうじゃない。動かないはずが動くの。つまり、考えられるのはこれは黒曜石と全く同じで違う構造ってこと」
「あり得るのか?」
「ありえないけど」
「はぇー、全然わかんねぇな。な、ブルマ、結局こいつは何者なんだ?」
悟空の言葉にブルマはお手上げ、とポーズをとった。
「知らないわよ、見たことないもん」
「ブルマでもわかんねぇんか」
「そうよ。いくら私が天才で美人でもね」

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メルト(プロフ) - どでぃさん» ありがとうございます!本当はスパヒ始まる頃に終わらせておくつもりでした!無理でした! (2022年7月28日 22時) (レス) id: 465e22fbd6 (このIDを非表示/違反報告)
どでぃ - 面白いです!すっごい続き気になってます、更新頑張ってください。 (2022年7月28日 11時) (レス) @page49 id: 8e1c6e0d2a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:メルト | 作成日時:2022年5月3日 0時

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