記憶 gaku ページ33
学生時代のクラスのメンバー何人かでペンションを借りての小旅行。
夜、飲みながら思い出話に華を咲かせていたら、見事にみんなごろ寝で爆睡。
起こさないようにそっと電気を消し、ひとりバルコニーに出た。
「寒っ…」
この真冬の夜中に外に出るというのはある意味自殺行為かも…。
旅行がこの時期になったのは、プロ選手になった岳ちゃんのオフに合わせたから。
プロになって、すっかり有名人になった岳ちゃん…
岳「風邪ひくよ」
ふいに高い声が聞こえたと思うと毛布を肩にかけてくれた人。
まぎれもなく、岳ちゃんだ。
「岳ちゃんこそ、」
岳「俺は鍛えてるからへーき」
「ダメだよ、オフだからって。身体が資本でしょ」
毛布を押し付け合っていると学生時代を思い出す。
岳「前にもこういうことあったよね(笑)」
「あれって何だっけ？修学旅行？」
岳「そうそう。Aがひとりで寒そうにしてるから毛布もってったら、俺ももうすぐ試合だからって突き返されて」
「懐かしいね」
あの時は、押しつけ合った結果ふたりとも寒さに耐えきれずに、強い風が吹いた瞬間の勢いで１枚の毛布にふたりでくるまったんだった。
寒い寒い言いながらムードも何もなかったけれど、あの時の心臓が壊れそうなドキドキは今でもよく覚えてる。
岳「あの時の会話、覚えてる？」
「…岳ちゃん覚えてるの？」
岳「うん」
”結婚できなかったらどうしよう”
”もう結婚の心配？”
”だってずっと彼氏もできないし”
”つくればいーのに”
”そういう岳ちゃんこそ”
”３年後、お互いまだフリーだったら俺のとこきていいよ(笑)”
”何それ？(笑)”
岳「３年経ったね」
私を毛布で包むと、ぎゅっと抱きしめてくれる。
岳「あれ、結構本気だったんだけど」
このまま岳ちゃんのたくましくなった背中に腕を回したら、私の気持ちも伝わるかな…？
g.s
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るな - 拓実のをもっとみたいです！ (2016年5月26日 20時) (
レス) id: 04a05044af (このIDを非表示/違反報告)
るあ - はじめまして！とてもいい作品ばかりで全て見させていただきました！リクエストしたいのですが、健勇との子供ができて、一緒に遊んでいる作品がみたいです！ (2014年8月4日 17時) (レス) id: 38f9bbd6a6 (このIDを非表示/違反報告)
柿柴 - 柴崎さんありがとうございます！わたしも高校受験なので主人公の気持ちがわかります！これからも柴崎さんをお願いします♪ (2013年11月7日 21時) (レス) id: d4c4f4e72c (このIDを非表示/違反報告)
miu(プロフ) - shinhoさん» リクエストをいただいてからお待たせしてしまって申し訳ありませんでした！とても嬉しいご感想をありがとうございます＾＾♪ (2013年11月5日 17時) (レス) id: 6afe004be3 (このIDを非表示/違反報告)
miu(プロフ) - なこさん» 川島さんは初めて書いたこともあって一話でおさまらないほどの渾身の作品となりました＾＾楽しんでいただけて何よりです。ありがとうございます！ (2013年11月5日 17時) (レス) id: 6afe004be3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miu | 作成日時：2013年8月30日 14時
