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．
「……起きてる？」
思成さんが話したのは、電気を消してからかなり経った頃。
そっちこそまだ起きてたんだ、と思いながら、
寝返りを打って、思成さんの方を向く。
……近い。
だからといって、また寝返りを打つのも不自然な気がする。
思った以上に顔が目の前にあって、
寝返りを打ったことを少しだけ後悔した。
「起きてるよ」
「寝れない？」
「うん……寝れないかも。でも寝なきゃね、おやすみ」
「……まだ好きなの？その彼のこと」
おやすみ、が聞こえなかったように、
目を閉じた私に質問が降ってくる。
ああ、なんというか、大学生の時によく経験した、この空気。
やるかやらないか、相手の反応を伺うときの、これ。
やっぱり男の人ってみんなこうなのかな、と、
一緒に寝たらやるまでがセットなのか、と、
小さくため息を吐いた。
「……好きだよ、多分。新しく好きになることはもうないけど、
自分の中でまだ消化しきれてないから、好きなんだと思う」
「……そっか」
「……勘違いだったらごめんね。今日はもう寝たい。
思成さんとはプラトニックでいたいな……」
「うん……おやすみ」
思成さんが私の頭をさらりと撫でた。
同じベッドに入ってなんだけど、
私は、ほとんどの場合、致した人を好きになってしまう。
この人を恋愛的には好きになりたくないし、
安易に好きだなんだと体を重ねたくもない。
「水取ってくる」
「うん」
「寝てていいよ……」
水と毛布を取って、ソファに横たわった。
最初はゴソゴソと音が聞こえたけど、
しだいにベッドからは物音が聞こえなくなった。
……寝た？
私も寝ようと目を瞑った。
真夜中を少し過ぎた、朝にはまだ遠い時間。
色々しんどかったな……と、疲れから意識を飛ばした。
．
続く
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作者名：johnana | 作成日時：2022年2月14日 0時
