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これからどうすればいいかものすごく迷って、
出した結論はインマヌエル様に従うことだった。
そして僕は、この役割を絶対に成し遂げなければならない。
インマヌエル様に見捨てられることだけが怖かった。
僕はストーカーみたいなことをした。
あの日の待ち合わせ場所と、Aさんが来た方向から
最寄り駅の路線を特定して、そこから近くの総合商社を探した。
Aさんの学歴的に、中小ではないだろう。
勤務先を特定し、学生時代のSNSを特定し、
丹念に丹念に彼女のすべてを調べ上げて、
僕は今彼女の家の前にいる。
帰ってきたかもしれないし、まだ帰ってきてないかもしれない。
すぐ近くの公園の男子トイレに隠れて、
マンションに繋がる道をずっと眺めていた。
8時半になった。
Aさんに似た背格好の人が、駅の方向からマンションに向かって歩いてくる。
髪型と骨格がそれっぽい。持っているバッグもあの日のものと同じだ。
毎日この時間に帰るのか気になって、
週に2回、1ヶ月この行動をした。
どうやら毎日8時半頃家に着くらしい。
ついでによく使うスーパーとコンビニも特定した。
ここからは、同僚の家が近くにあるとか言って、
Aさんとバッタリ遭遇すればいい。
それを繰り返してプライベートで仲良くなって、
よく行くお店なんかを知れたら、こっちの勝ちだと思った。
僕は、あの日の険悪な空気なんて、彼女にとってはどうでもよくて、
まだAさんが僕を好いてくれていると思っていた。
誤算だった。
駅の駐輪場から、自分の自転車を触るフリをしてAさんの到着を待つ。いつもは1人で5番出口を出る。
Aさんと、仲良さげな男。
2人で笑いながら、Aさんのマンションに向かっていく。
体は薄めで、Aさんに引けを取らないほど顔が小さくて、
特段長くも短くもない髪が風に靡いていた。
遠くてはっきりとは見えなかったけど、
まとまりのある優しそうな顔だった。
ファッションは清潔感漂う、でも少しこなれた感じ。
僕とは正反対の人だった。
あのタイプが彼氏なら、僕なんて眼中にないに決まってる。
勝手に彼氏がいないと決めつけて、余裕だと思っていた。
考えてみれば、
Aさんは彼氏がいるのが当たり前のスペックなのに。
いないと信じ込んでいた自分がバカだった。
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作者名：johnana | 作成日時：2022年2月14日 0時
