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87推しくん ページ36

ひとりで見る雪は嫌い


寒くて、虚しくて、寂しいから。


はらはら と空から降り注いでくる柔らかい雪は
手に触れると 一瞬で消えちゃって儚い。


寒くて鼻まで真っ赤になっちゃうよ。


さ「 なんか怒ってる?可愛い顔が台無しだよ 」


「 怒ってない、寒いの 」


悴んだ手をあなたに握って欲しくて、でもいつも貴方は鈍感で気付いてくれないから。

ちょっと、怒ってるのかもしれない。


さ「 雪積もんなかっったな〜、下びちゃびちゃだよ 」


家までの道を とぼとぼと歩くも
下が溶けた雪のせいでびちゃびちゃで歩きにくい。

積もらなかった事が悲しいのか、ちょっとしょんぼりする彼

やっぱりまだ子供だ。


「 なんか暖かいの買う?俺コーヒー飲みたい 」


暖かいのなんて買ったら 寒いからって手を繋ぐ口実が無くなっちゃうじゃん。

変な所で鋭くて、いつもは鈍感でどうしようもない。


「 じゃあ、同じの 」


自販機から 出てきたコーヒーは暖かくて 悴んでた手がじんわり温まる。

あー、作戦失敗

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作者名:うり【ヤンヘラ系女子】 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年11月10日 21時

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