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『本当はね、普通の生活をしたことがなかったからなの…実は韓国語も…読むことはできても、書けなかった…劇団では話すことを禁止されていたから…お話もうまくできなくて…
お箸の使い方も、トイレの流し方も、お風呂の入り方も。全部全部、皆に教えてもらったの』
「ヌナ…」
SS「病院からチェリ引き取ったとき、アイドルにさせるつもりなんてなかった。初めは掃除や洗濯をしてくれていただろう？」
「はい、」
SS「お前達との生活の中で、言葉を覚えて…普通の生活ができるようになって…1人の女の子として夢を持って…そうしたら、好きなように生きていいって、言うつもりだった。でも、チェリがここに来て…お前達はどうだった？」
HS「喧嘩しなくなった！」
SS「そう、そうなんだよ。チェリが来て、お前達の空気を変えてくれた。食事管理をしてくれるようになった。誰かが辛い時は側にいて話を聞いて、楽しい時は一緒に笑って…そして、お前達と家族になった」
「…っ」
SS「お前達もそうだよ。根気よくチェリに言葉や常識を覚えさせた。私に内緒で、ダンスや歌を教えていたこともあったね」
HS DK「へへ、」
SS「ハンソラとスングァナにチェリのことを伝えたのは、家族に女性がいたからなんだ。何かと力になってもらえると思った」
「そう、ですね…」
『チャニ』
「うん…？」
『覚えてるかな、ストローをさして飲むパックジュースの飲み方を教えてくれたこと』
「うん、覚えてる…！」
『お兄ちゃん達にいじられても、気にしない方法。残ったチャプチェを次の日に美味しく食べる方法。歯磨き粉を最後まで使い切る方法も、教えてくれたよね』
「ヌナ、恥ずかしいよ…笑」
『ふふ…マンネは時に辛いこともあるけれど、僕がヒョン達を支える存在になる。我慢も、努力も沢山するから。ヌナ、これからもずっと俺たちと一緒にいよう。俺がヌナを守るから。』
「…っ」
『…っそう、言ってくれたよね…っ』
「ヌナ…」
『ねぇチャニ、今まで、沢山隠し事をしてごめんね…っ…こんなヌナだけど…まだ、チャニのヌナで、いさせてくれる…っ…？』
「ヌナ、チェリヌナ、泣かないで…顔を上げて…」
『…っ』
「ヌナ…この世界でたった1人の、僕の大切なヌナ。どんな過去があったって関係ないよ。約束したでしょ、ヌナは俺が守るって」
『…チャナ、』
「ヌナ、愛してる。これからもずっと、永遠に」
✴︎(次作より過去のお話になります)
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作者名：さくらんぼ | 作成日時：2023年10月29日 19時
