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『そうしたらある日、代表ニム達が公演に来られたの。皆怯えたような顔をしていて…きっと外の世界から来たんだって、すぐにわかった。
一生に一度のチャンスだと思った。この人達に賭けようって』
「うん、」
『劇団は場所を転々としていて警察の目を逃れていたの。だから今日、この人たちがここにいる間に何とかしないといけないって思った。でも、自由があるとはいえ、部屋には鍵がかけられて外には出られない。唯一鍵のない場所は…医務室だけだった』
「まさか…」
『そう…公演中にわざと怪我をして、代表ニムたちが帰るまでに…彼らが関係者でないとばれてしまう前にもう一度会って、警察に連絡してもらうこと。それが最善策だと思ったの』
SS「あの時は…本当に…本当に肝を冷やしたよ…」
『驚かせてしまってごめんなさい…ヌナ、その時高い所にいたから…とりあえず落ちて…』
「え？」
『頭を打たなければ、大丈夫だと思ったの』
「ヌナ……」
『ヌナの思った通り公演は中止になった。医務室に運ばれるまで気を失ったふりをして…医者が外に出て行ったあと、何とか体を引きずって外に出たの。
代表ニムは団長に捕まっていて…後ろにいたハニオッパと目があった。
人数がたくさんいたから、団長も気づかなかったのね…ヌナはその時お喋りができなかったから、手話で必死に【助けて、警察に連絡して】って、一生懸命話したの。』
「ハニヒョン、わかったの…？」
JH「わからなかったよ…でも、血まみれの体を必死に引きずって何かを訴えてるんだ。あぁ、助けなくちゃって、そう思ったんだよ。
代表は団長と話していたから、その隙に見つからないように、話が的確にできるウジとクプスを外に出すことにした。
それが成功して…チェリは今、俺たちのそばにいてくれてるんだよ」
『ううん、私がいさせてもらってるんだよ…』
JH「チェリヤ…」
『あの時…みんなに出会ってなかったら…助けてもらえてなかったら…今でもそんなことを思うの…
ねぇチャニ、ヌナがここに連れてきてもらった時…あんまりお喋りができなかったり…普通の子どもができるようなことができなかったこと…覚えてるかな…？』
「お、おぼえてる…！でも、ヌナは海外から来て、韓国にまだ馴染んでいないからって…聞いてた…」
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作者名：さくらんぼ | 作成日時：2023年10月29日 19時
