ちゃんと冷まして ページ18
side.SG
DK「お腹いっぱい…！」
MG「ソクミナ…本当にお腹いっぱいなの…？」
DK「…え？」
MG「これからが本番なんじゃないの？！」
DK「…ええ？！」
『？』
「ヌナ？これが"茶番"だよ」
今日の晩ご飯はヌナにとって初めてのサムギョプサル。肉を奪い合い戦場と化していた食卓はどこへやら。こうやるんだよ、と皆で一緒にサムを作り、よく噛んで食べた。
「誰のサムが1番美味しかった？！」というスニョンイヒョンの問いに『みんながつくってくれた、から、いちばんえらぶ、むずかし、ね？ぜんぶ、だめ？』と困ったように笑ったヌナに「選ばせてごめん！！どう足掻いても美味いよね！！」ってちょっとよくわかんなかったけど全員が本能で食い気味に深く頷いた。
そして冒頭へ戻る。
ゴンッ、と鈍い音を立てて食卓の真ん中へと置かれた鉄鍋。
香ばしいおこげの香りが鼻腔をくすぐる。
お腹いっぱいでも、これは食べなきゃね…！！
「ヌナ、これはね、ポックンパっていうの！」
『おいしそ、ねえ』
「うん…！すっごく美味しいから、食べてみてっ」
『うんっ』
にこにこと笑うヌナにハニヒョンがスプーンを持たせて、こうやって、とヌナの手を持って一緒にこそぐようにご飯を掬う。
JH「あっA、まってまって」
『？』
JH「これはすごく熱いの。ほら、湯気が出てるでしょ？」
『(こくん)』
JH「火傷をしないように、こうやってふぅふぅってして少し冷ましてから食べないといけないよ」
『ふぅふぅ？』
JH「そうだよ、ほら見て、スングァナもちゃんとするよ？」
「あ、う、うんっそうだよヌナ！見てて、ふぅふぅ…あむっ、うん！熱くない！」
『わあ…ふぅ、ふぅ、』
「ｷﾖｳｫﾝ…」
『た、たべてもいいっ？』
JH「ふふ、うん、いいよ」
『はむっ…んんっ…おいしいっ』
MG「本当っ？！良かった！」
『ミンギュ、おりょうりじょうず、ねえ』
MG「でへ」
『ジョンハンと、スングァナ、』
JH「うん？」
『ふぅふぅ、おしえてくれて、ありがと』
JH「ふふ、どういたしまして」
「ﾇﾅｷﾖｳｫﾝ…」
『あ！』
JH「？」
『ふぅふぅして、あげる』
JH「え、」
『ふぅ、ふぅ…はいっ』
JH「っあ、ありがと、A」
『えへへ』
大好きな2人が笑ってくれると、僕はすっごく嬉しい気持ちになる。
2人が幸せになれる未来。いつか、そんな日が来ますように。
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作者名：さくらんぼ | 作成日時：2023年10月29日 19時
