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そう…思うけれど。
それは僕の勝手な願いであって、1番大切なのはAの気持ちだ。
代表は、アイドルにさせるつもりはない。とはっきり言っていた。
本当に惜しいほどの逸材ではあるけれど、劇団で観客の前に立つという悍ましい経験をしたAに、もう一度ステージに立って欲しいということはできないと。
普通の生活ができるようになって、夢を持って、恋をして。
そうしたらここを出て、自分の好きなように生きていいんだよ。そう伝えるつもりなのだそうだ。
それを聞いたのは、スンチョル、ジョンハン、僕。そして96lineの４人だけ。
皆それぞれ思うところはあったようだけれど、「Aの幸せが1番」というジョンハンの言葉に、そうだねと頷くほかなかった。
いつか、Aが海外に行きたいと言ったら？僕ができることは、英語や文化の違いを教えてあげることの他にまず、自分の意見をしっかりと言える子になって欲しいということだった。
『嫌だ』と言うことをはっきりと言えないA。ここでは僕たちの言われるがままに頷き、何でも受け入れてしまう。
本人の意思こそ、わかっているわけで訳ではないけれど…
だからこそ僕はAに大変な思いをして欲しくなくて、そういう態度に出てしまう。決して怒っているわけでも、ましてやAのことを嫌っているわけでもないのだ。
"Aが自分の前からいなくなるかもしれない"という不安を与えてしまい、すっかりと落ち込んでしまったソクミナを前に僕はどうしたものかと頭を抱えた。
その時。
JH「あれ？どうしたの？」
「あ…ジョンハナ」
JH「ソクミナ、何かあったの？ヒョンに話してごらん」
DK「あ、ぬ、ヌナ…いつかここを出ていっちゃうの…？」
JH「え？」
まずい、Aの幸せを1番に願っているジョンハニのことだ。そう言う可能性もあると言いかねない…
「あ、いや、ジョンハナ、」
JH「そんな事ないよ、」
DK「…え？」
JH「Aはずっとここにいるし、ずっと俺達のそばにいるよ」
DK「ほ、ほんとうっ？」
JH「ははは、うん！だからそんなに落ち込まないで、ソクミナ」
DK「う、うんっ！」
JH「ほら、あっちでAとお喋りしておいで？」
DK「はいっ！」
先ほどとは打って変わって元気を取り戻したソクミナはAがいる部屋へと走っていった。
「…ジョンハナ、」
JH「うん？」
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作者名：さくらんぼ | 作成日時：2023年10月29日 19時
