チョコを贈るよ ページ11
side.MG
「ただいま〜っ！」
『お、おかえり』
「Aヤ、お名前は？」
『ミンギュ、』
「ｷﾖｳｫｫﾝ」
最近、嬉しいことがある。
それは家に帰ったらAがいてくれること。
おかえりって言って、名前を呼んでくれる。たったそれだけのことって思うかもしれないけど、俺にとっては最高に嬉しい事の一つだ。
スンチョリヒョンに「ヌナをつけろ！」と怒られたけど気にしない。だってA、赤ちゃんなんだもん。
Aがもっと大きくなってお姉さんになったら…まぁ、その時はヌナって呼んであげてもいいかもね、多分来ないけど。
「ねえA、今日はバレンタインなんだよ！」
『？』
「女の子が好きな男にチョコあげる日！」
『わあ』
「今年は俺が1番多かった！…と思う！」
『おおい、すごい？』
「へへ、まあね！」
『ミンギュ、にんきもの、ねえ』なんて言われると、本当悪い気しないよね！
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JH「Aヤ、今日はどんなことを覚えたの？」
『バレ、』
JH「バレンタイン？」
『ちょこたくさん、にんきものなの』
JH「あはは、ミンギュだね？」
「あっ、なんでわかるのヒョン〜笑」
JH「だってお前が1番貰ってたでしょ」
「えっ、やっぱそうかな？！ヒョンはいくつ貰ったの？！」
JH「ヒョンは貰ってないよ」
「えっ！」
JH「そんなに驚かないでよ笑 今年はね…はい、A」
『？』
ヒョンから衝撃の事実を聞かされて流石に嘘でしょ、茶化してるんでしょと言おうとすると、Aの前に小さな箱を置いた。
可愛くラッピングされたそれは紛れもなくチョコレートで。それを見た瞬間、ヒョンはわざと貰わなかったんだと理解した。
『おんなのこ、から…』
JH「そうだね。でもオッパは、大切な人であればどちらからでもいいと思うんだ」
『…たいせつ？』
JH「ふふ、オッパの大切なA、」
「…っ」
愛おしそうな目でAの事を見つめるヒョンに初めはぼんやりとした表情を見せていたAだけど、そっとヒョンと俺の手を握ると『ジョンハン、もミンギュも、わたしのたいせつ、ねえ』と笑った。
「凄く嬉しいよ。ね、ミンギュ」と俺に笑いかけるヒョンは、自分だけに笑顔が返ってこなかった事を気にも留めていなくて。
もしも自分以外の誰かにAが取られてしまう事があるのなら…それはきっとこの人なんだろう。何故かそんな不思議な事を思った。
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作者名：さくらんぼ | 作成日時：2023年10月29日 19時
