チェリの過去 ページ1
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リビングにある戸棚の片付けをしていると、デビュー前の俺たちの写真が出てきた。
懐かしいなと思いながらひとりひとりを見ていくと、そこに大好きな人の存在がないことに気づく。
JH「ディノヤ、何見てるの？」
「あ、ヒョン。見て、昔の写真」
JH「うわぁ〜懐かしいね」
「でしょ！でも、ヌナが写ってなくて…」
JH「…これは、チェリがまだここに来る前の写真だね」
「そうだっけ…なんか俺、本当の本当に最初からヌナと一緒に過ごしてきた気がするけど、違うんだよね…」
JH「うん、」
「あれ…そういえば昔ヒョン達が言ってた、ヌナのこと大きくなったら教えてあげるって話…あれ、なんだったの？」
JH「ディノヤ…そうだね、もうお前にも話しておかないといけないね」
「…ヒョン？」
思い出したのは、ヌナがここにきたばかりのこと。男子しかいない場所に突然女の子が現れて驚いた当時の俺は、どうしてここにヌナが来たのか。それを代表やヒョン達に何度も聞いたけれど、誰も教えてくれなかった。
大きくなるにつれてヌナと一緒にいられることがただ幸せだと感じる瞬間が増え続けると、自然とそんなことは頭から抜け落ちていたようだ。
どこか深刻そうな、それでいて愛おしそうな表情で写真を見るハニヒョン。
昔はただ、好奇心でしていたその質問。きっとその話を聞くには俺は幼すぎたんだね。
でも大丈夫。今の俺は、ヌナにどんな過去があろうと受け止める。愛し続ける。守り続けると、誓うよ。
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その日の夜、メンバー全員が事務所に集められた。
驚いたのは、そこに代表がいたこと。
丸いテーブルの真ん中に座るように促されると、向かいにはチェリヌナがいた。チェリヌナの横にはハニヒョンと、クプスヒョン。
どこか心配そうな2人をよそに、相変わらずにこにこと微笑んでいるヌナにいくらか緊張がほぐれる。
SS「皆、集まってくれてありがとう。チャナ。お前達も大きくなったな。チェリのこと、内緒にしていたわけではないんだ。どうか気を悪くしないでほしい」
「わかってます。俺まだ、子どもだったから…」
SS「わかってくれて嬉しいよ。これから話すことは、ここにいるメンバーと私。そして数人の管理職にしか知らされていない事実だ。どういうことか、わかるね。」
「は、い」
代表は俺達の言葉を聞いて一つ頷くと、ゆっくりと話し始めた。
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作者名：さくらんぼ | 作成日時：2023年10月29日 19時
