spoony 1 ( woozi ) ページ7
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「『ツンデレ彼氏を甘えさせるテクニック』…。」
普段雑誌なんて買わないタイプだけど、コンビニに寄った時たまたま見えたその見出しにつられるように棚に手を伸ばした。
私からの矢印が大きすぎる恋人関係、そろそろあのツンデレ彼氏から、デレを頂きたい。
*
テクニックその1、周囲の前で彼を褒める。
「オッパ！」
「…なんで来た。」
96のオッパたちが集まって食事しているのを見つけ、食堂のおばちゃんを急かすようにトレイを受け取った。
小走りで近づきながら声をかけると、あからさまに顔を顰めるジフンオッパ。と、にやにやする他のオッパたち。
「やーい、いいじゃんジフナ。彼女ちゃんもここ座りな。」
「スニョンオッパ！ありがとうございますっ。」
有難く席を寄せて同じ机を囲むことに成功。
ここまでは作戦通りである。まずはジャブをうつ。
「オッパ、今日もかっこいい！」
「……そういうの、やめろって言ったよな。」
照れる様子を少しも見せずに、迷惑そうな声色であしらってくるオッパ。これはもしかしたら、タイミングが悪かったかもしれない…。想像以上の機嫌の悪さだ。
「いやいや、微笑ましくていいね。僕も彼女欲しいな〜。」
「ジュナならすぐ作れるだろ、イケメンだし。」
「ウォヌもイケメンじゃん？僕がカッコイイことは否定しないけど。」
しょんぼりする私と黙ってしまったジフンオッパの空気を察してか、場を和ませてくれるオッパたち。
スニョンオッパも少しわざとらしいが、話題を持ち出してくれた。
「そういえばジフナ、今回の新曲ホント最高だった。お前天才だよ。」
「僕も思った。すっごい気に入って何回も頭の中で流れちゃう。」
「早くライブしたいね。」
そう、このオッパたちはサークル内でバンドを組んで学園祭やイベントで定期的にライブしたりしている。ジフンオッパは作詞作曲ができて、ボーカルでは高音も担当できる最強メンバーなのだ。自慢したくなるのも無理はない。
メンバーたちに褒められて、オッパは先程までのツンケンした感じではなく、嬉しそうに目元を弛めて微笑みながら「お前たちの声で早く聴きたいよ。楽しみだな。」と曲について饒舌に語り始めた。
やっぱり、オッパも褒められるのは嬉しいんだ。
好きなことについて語っているオッパはすごく輝いて見えた。
「ねえ、私もその曲聴きたいな！おねがい。」
「は？…ダメだダメ。ほらお前、食い終わったなら帰れ。」
…ケチ。
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作者名：あった懐炉 | 作成日時：2024年2月11日 21時
