髪色論争 1 ( hoshi ) ページ1
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「Aヌナって、どんな男の人がタイプなんですか？」
「うーん、あんまりそういうのないかな。好きになった人がタイプ。」
「うわぁ。」
「髪型とかこういうの好き！みたいなのないんですか？」
「似合ってればなんでも……でも強いて言うなら、黒髪が好きかな。」
大学の食堂でひとり寂しくご飯を食べていたら、知り合いの後輩であるミンギュ、ミョンホ、ソクミンが通りかかり、成り行きでご一緒している。
教授やバイトについてなど、当たり障りのない会話をしていたはずだが、途中突然ミンギュがいいこと思いついた、という顔をして恋バナを始めてから、何故か好きな異性のタイプを話すことになった。あと、ミョンホ。小さな声でつまんなって言ったの聞こえてるからね。
「ええっ、黒髪ですか？僕、茶色が好きなんですけど。」
「オレ黒髪！！」
「髪が黒くてもミンギュは恋愛対象外だから安心しな。」
「ミョンホ、その通り。」
ていうか、そもそも年下に手を出すつもりはありませんよ。と弁解しておく。ソクミンの好みの色も聞いてないし。強いて言うならというだけで別に全然髪色で人を選ぶほどこだわりが強いわけじゃない。
「ふーん、でも収穫はありましたね。やぁ、そろそろ戻らない？」
「ああ、そうだね。ヌナご飯ありがとうございました。」
「ヌナ！おれは年上好きですよ！！」
「うん。私こそみんなありがとう、ミンギュ〜ハウス。」
くすくす笑いながら手をしっしっと動かしてあしらう。全く、ヌナキラーの名は伊達じゃないな。
可愛い後輩たちに癒された余韻でぼーっと座っていると、携帯がバイブ音を出して通知を伝えてくる。
誰だ？と電源を入れるとホーム画面には【クォン・スニョン】の文字が。
確かこの後一緒に街でも歩こうと話していたから、そのことかな？とメッセージアプリを開くと、《ごめん、今日行けない！また今度絶対行こう》という文と、泣いているスタンプが送られてきた。
スニョンがドタキャンとか珍しいな、と不思議に思ったが、そういうこともあるでしょうと自己完結して、たぷたぷ返事を打つ。
「そういう、ことも、あるよね、大丈夫、今度、暇な日、教えてねん、っと。」
スニョンは服のセンスがいいから、秋のうちから一緒に冬服見に行きたいんだよな。送信を確認してから電源を落として携帯を机に伏せた。
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作者名：あった懐炉 | 作成日時：2024年2月11日 21時
