天使の忠犬 (ページ9)

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PUP 9 ページ9

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「おい、わんこ！なんか食べたい気分だからメロンパン買ってこい〜。」

これ持ってけば足りるだろ、と明らかに多い金額をぽん、と握らされる。こんなにいらないよ、と言ったらまたこちらを見ないまま「余ったら自分のぶん買えばいい」とぶっきらぼうに言ってスマホの画面をスクロールている。

…うーん、多分この後出てくる言い訳は「飼い犬の飯の世話も飼い主の仕事だから勘違いすんな」かなあ。

「ありがとう、ジョンハン」

「飼い犬の飯の世話もご主人様の仕事だから勘違いすんな！さっさと買ってこい！」

「うんっ行ってくるね〜。」

…ちょっと違ったな。ジョンハンはやけにご主人様っていう役職名が好きみたい。今度メイド服でも着たらいいのかな。

最近何だか甘いジョンハンのことをぼーっと考えていたら、気づいたら私が買っていたのは焼きそばパンだった。いつも数少ないのに珍しく残っていたので、反射でつい、買ってしまったのだ。いいことが起きそうな予感に頬を緩ませて下手くそなスキップで教室に戻ろうとしたが、ふ、とお弁当の私がなぜ購買へ行っていたのか頭に過った。

「あ、メロンパン」

…目的も忘れて自分の好きなものを選んでしまった。ついでに、我らがご主人様は中庭で遅い帰還にお怒りであろうということも気づいてしまった。

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