PUP 7 ページ7
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「よーし、じゃあみんな復習しとけよ。終わり！」
(ああ、ついに体育の前の授業が終わってしまった。)
私は落ち着いた話し方のせいか、優等生のように見られることが多い。
大して頭も良くないが課題を見せて欲しいと頼まれて勝手に幻滅されたこともあるし、
先生方からは謎の錯覚で学級委員だと思われてるのか手伝いを頼まれたりする。
でもこの繰り返しで成績が良くなっている(ような気がする)。
忘れ物をするのは初めてではない、むしろ割と頻繁な方だ。ただ、ジャージを忘れて人に借りるのは初めてだし、スンチョルさんは初めましてだし、とにかく緊張することが多くていつも以上にノートが真っ白である。
「Aちゃーん？早く行かないと着替え間に合わないよ。」
「いっいまいく！」
「ふふっ、本当に犬みたい。」
褒められているのだろうか。曖昧に笑って誤魔化しながらジョンハンのクラスの前に行くと、なんと丁度ハニとスンチョルさんが窓際で話していた。
「スンチョラー！ちょっといい？」
「お？シュアか、なんだよ。…って、誰？」
「は、初めまひて。Aと言います。ジスくんのクラスメイトです。」
「A…？ああ、ハニの。」
いつの間にか私はジョンハンのものになってたらしい。っていうかジョンハン、私の話することあるんだな、なんて考えていたらずんずんと不機嫌そうな顔でこちらへ向かってくる天使(仮)の姿が見える。
「やー、なんでいるんだよ、わんこ！おれの教室には来るなって言っただろ！」
「ジョンハン…えっとこれには谷より深い事情があってね。」
「ハニ、Aちゃんはジャージを借りに来ただけだよ。ということでスンチョラ、貸してあげてくれないかな？」
「別にいいけど、Aちゃんは大丈夫？男のだし、まあ少しデカい…か？」
早速取ってきてくれたスンチョルさん。私の中でとっても優しい人ランキング今1位を独走中です。
「あの、上着だけで大丈夫です！本当にありがとう！助かりました、スンチョルさん。」
「うん、どういたしまして。タメなんだからスンチョルでいいよ。」
今度お礼しますね、と言いかけたところをハニが遮って「お礼なんてしなくていい！コイツ、おれに貸し沢山あるし！！」とスンチョルくんを後ろに追いやって言う。
「私のために使っていいの？その貸し。」
「ッ！べつに、お前のためっていうか、ご主人様の責任だから、それだけっ。」
「ありがとう、ハニくん。」
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作者名：あった懐炉 | 作成日時：2024年2月10日 21時
