PUP 6 ページ6
「うーん、ジョンハンに借りるかな…いや、持ってないだろうな。」
「仕方ないから、そんな可哀想なAちゃんに、ジャージを貸してくれるアテを紹介してあげるよ。」
「えっいいの？」
「うん、朝から笑わせてもらったお礼。」
勝手にジスくんが笑ってただけなんだけどな…という言葉は飲み込んで、誰？と尋ねると、ハニと同じクラスのスンチョルだよ。と言われたが、はじめましてさんだ。
「スンチョル？ごめん、本当に知らないや。」
「あはは、ハニも仲良くしてるらしいけど、何も聞いたことない？」
「うん…」
ハニから友達や学校の生活について聞いたことは確かにあまりなかった。私のことは根掘り葉掘り聞いてくるくせに、不平等なのでは？と今気づいた。まあ、どうせ丸め込まれるからこの話は置いておこう。
「それで、知らない人にいきなりジャージ借りに行くの？持ってるかも分からないのに？」
「スンチョリは運動大好きだから、いつも、絶対持ってるんだよ。」
「それって、行くのついてきてくれたりしないかな？」
控えめにお願いしてみると、可愛い顔でにやにやしながら「ん〜、どうしようかな」と焦らしてくる。
「もちろん僕が紹介したんだけど、忘れたのはAちゃんだし、スンチョル紹介したの、ハニに怒られそうなんだよなあ。」
「えっ、なんで？怒らないよ、そんなことで。」
「ん〜〜、どうしようかなあ？僕、なんかアイスアメリカーノ飲みたい気分になってきちゃったな。」
……悪い顔してるぞ、ジスくん。悩ましげな顔をつくるのが上手いなあ。なんだかアメリカンな感じ。
こうして私はジスくんの犬としてわん活することを求められているわけか。
「じゃあ、後で奢るよ！それでどうかな。」
「奢るなんてそんな、女の子にさせられないよ。…ああ、プリン食べたい気分かも。」
「アイスアメリカーノとプリン！お昼休みに献上しますから！」
「本当にいいの？じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな！そこまでしてくれるならついていくよ。仕方ない。」
……ジスくん、そういうとこあるよね。
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作者名：あった懐炉 | 作成日時：2024年2月10日 21時
