PUP 25 ページ25
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向かった先は保健室。サボるのは勇気が出なくて、体調が悪いふりをすることにした。
「先生、失礼します。朝来てみたら体調が悪いので落ち着くまでいてもいいですか。」
「ああ、Aさんじゃない。いいけど…どうしたの？その顔。」
明らかに潤んだ目と震える声に、この酷い顔。
何かがあったと言わんばかり、である。
「ちょっと、色々ありまして。」
グッと唇を噛んでこらえる。
ジョンハンが人気なのは知っていた。告白されるのなんて見慣れてる。それが嫌だったんじゃない。
私を利用するような、思わせぶりな態度が苦しかった。
今はただ何も考えず眠りたいという気持ちで保健室まで来て、ベッドをお借りした。
白い清潔なシーツの上にぼふんと寝転ぶと、自然とまぶたが重くなってくる。...授業、出たかったかも。
ウトウトとしていると、突然カーテンがシャッと開けられる。
突然入ってきた光が眩しく、しばらく目を開けられなかった。
「あれ、Aちゃんじゃん。ごめん、使ってたんだな。」
「...もしかして、スンチョルくん？」
「おう、邪魔して悪い。」
「ううん、大丈夫。体調悪いの？」
「俺はサボり。あ、これ言うなよ。」
イタズラに笑いながら話してくれるスンチョルくんのおかげで、私も自然と笑い声が漏れていた。
「私もサボりだから、内緒ね。」
「珍しいじゃん」
「あはは、不良デビュー？」
何分間か楽しくおしゃべりした後、彼はカーテンを今度はしっかりと閉めてソファで寝転んだ。私も眠気で意識が遠のいていき、目を閉じた。
*
目が覚める。
寝たことによって頭がスッキリとして、気分がいくらか良くなった。カーテンの隙間から時計を見ると、どうやら3限目らしい。
スンチョルくんは授業に戻ったんだな。
ベッドの上にまた戻り、ぼーっと転がる。
カチカチと時計の針の音が静かな保健室に響く。
すると突然、ガラガラ、と音を立ててドアを開けて誰かが入ってきた。
スンチョルくんか、先生だろうと予測してそのまま寝ていると、またしても私のカーテンが開けられる。
スンチョルくんのときはかなり豪快に開けられたけど、今回は少し控えめな、そろりとした手つきだった。
嫌な予感に咄嗟に狸寝入りをする。
ベッドの近くの椅子に腰掛けた何者かの正体は、すぐに分かることになる。
「...寝てる？よな。」
どうしていつも、追いかけてくるの。
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作者名：あった懐炉 | 作成日時：2024年2月10日 21時
