PUP 21 ページ21
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あからさまにタジタジになり始めた私を見てニヤニヤするスニョンには申し訳ないけれど、こんなカレカノのようなやり取りにどきどきする反面、やっぱり心のどこかをジョンハンが占めている。
…付き合ってもないのに、浮気みたいだと思うなんてなんておかしな話だ。スンチョルくんに対して嫉妬していたのだって、犬を盗られた独占欲みたいなものだって分かっているのに。
モヤモヤしながら笑顔を作って話していると、スニョンくんは少し困ったような顔をして、「そろそろ解散しましょうか。」なんて提案するから、そんなこと言わせてしまう私が不甲斐なくて仕方なかった。
「あの、今日は本当にありがとう。すごく楽しい時間を過ごせたよ、お礼になってるかな？」
「はい、もちろん！ヌナと仲良くなれただけでお礼にお釣りがついてくるくらいです！」
「嬉しいこと言ってくれるなぁ。」
会計は払うと言ってくれたけれど、ここは歳上のプライドもお礼も兼ねて私が支払うと主張した。結局、男の沽券がどうとか丸め込まれてしまい、割り勘になったのだけれど。
「じゃあ、気を付けてね。」
「ヌナも気を付けて。また会いましょう！送って行けなくてすみません…。」
しゅんとするスニョンくんは家まで送ると申し出てくれたものの、家の方向が反対なのもあってお断りした。バス停を通る時も全力で自転車漕いでるもんね。
名残惜しそうにこちらをチラチラ振り返りながら歩くスニョンくんに手を振りながら私も家への帰路を踏み出した。今日もなんだか、どきどきしたりモヤモヤしたり忙しい心だったな。なんて考えながら呑気にしていた。
この場面を見られているとも知らずに。
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「…最近Aがつれない。」
自室で勉強をしながら、手は止まっている。頭の中は数式でも図形でもなんでもなくて彼女のことばかりだった。
どうやら家の痕跡などを見るに、風邪のお見舞いに来てくれていたらしいのだが、それ以来素っ気なくなった態度が気になる。
……なにかしちゃったかな。
彼女への想いを募らせて早何十年、気付かれない程度にアピールしていたつもりが、理性のない体調不良中にまさかバレるようなことをしてしまったとか。
悶々と思考に耽っていたその時、仰向けに置いていた携帯の画面が光り、通知を表示した。その文を読んだ瞬間、思わず息を止めていたと思う。
送り主は【チェ・スンチョル】。内容は、
《ヤ、Aちゃん、知らない男とデートしてたぞ》
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作者名：あった懐炉 | 作成日時：2024年2月10日 21時
