PUP 11 ページ11
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とある日のお昼休み、
先生に質問をしに行った帰りに1年生の階を歩いていると、後ろからドタドタと足音が聞こえて思わず振り向くと、大型犬が急ブレーキをかけて私の前で止まった。
「わ〜！A先輩だ！こんにちはっ！」
「ミンギュくん、こんにちは。」
二個下のキム・ミンギュくんは本当に大型犬そのもので、私が3年生の中でユン・ジョンハンのわんこと呼ばれていることを知って話しかけてくれた後輩くんだ。
今や犬仲間扱いされ、見かけるとしっぽをブンブン振りながら駆け寄ってきてくれる。その姿がミカエルに少し似ているからつい可愛がってしまうのだった。
「今日ポニーテールにしてるんですね、カワイイです！」
「！そうなのっ、ありがとう。」
いつも些細な変化に気づいてくれるところを見ると、これはヌナキラーというかなんというか、モテるだろうな…この子。オバサン眩しいよ。
「今日はジョンハニヒョンと一緒じゃないんですね？」
「ああ、ジョンハンは…」
.
昨日は、バケツをひっくり返したような大雨だった。
その日たまたま、朝髪の毛がうねって準備に時間がかかってしまい、ジョンハンへの電話だけ忘れずにしたらドタバタと家を出たため、天気予報を見れなかった私は傘を忘れてしまった。朝は小雨で、バス通学だし、そんなに酷くならないだろうとタカをくくっていたものの、放課後になると、もう本当にどうしようもないほど天候が悪化していた。
「いやあ、どうしよう。」
「まさかAちゃん、傘忘れちゃったの？」
「そのまさかなんだよね…。」
「ごめんね、僕も傘を貸してあげたいところなんだけど生憎折りたたみを忘れてきちゃって。」
「ううん、気にしないでジスくん。私バス通学だからなんとかなるはず。」
バス停までが問題、といったところである。ジスくんは僕の家に寄っていく？と心配してくれたが、そこまで迷惑はかけられないので丁重にお断りさせていただいた。
結局、下駄箱で外を眺めながらどうしようか悩んでいると、聞き覚えのある声が後ろから聞こえてきた。
「やーわんこ、どうした？これ以上悪化する前に帰ろう。」
「ジョンハナ、うん、そうだね。帰ろう」
「……もしかして傘忘れたのか？朝持ってないとは思ったけど、折りたたみがあるのかと思ってた。」
「バス停まで走ればすぐだから、なんとかなるよ。」
「…………」
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作者名：あった懐炉 | 作成日時：2024年2月10日 21時
