天使の忠犬 (ページ2)

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PUP 2 ページ2

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家を出てバス停へ向かう。私の家から、通っている学校は少し遠くバス通学をしているためである。

ユン・ジョンハンは小学生の時からの腐れ縁というやつで、中学は地域で校区が決まっているので同じになるだろうとは思っていたが、高校まで同じだとは思わなかったというのが正直な感想だ。

なぜなら私が通う高校は先程述べたように家から遠く、偏差値もそんなに高くない。

私よりも遥かに優秀で、めんどくさがり屋な彼には相応しくないだろうと近所のおばさま方が話していたように、私もそう思っていた。

一度だけ、私に勉強を教えるために(本人は飼い犬の監視と言い張っていた)図書館で隣に座っていたジョンハンにわざわざこの高校を選んだ理由を聞いたことがあったが、頑なにそっぽを向いたまま

「別に、どうでもいいだろ。」

の一点張りだったので、そっかあ、また同じ学校で嬉しいな。と返して分からない問題の解説を探して参考書に向き直ったところ、顔をほんのり赤くしたジョンハンに解答集をぶんどられてしまった。

「仕方ないから教えてやる、これもご主人様の役目だからな」

頼んでもないけれど、渋々！という態度を丸出しにしてずいっと近づいてくるジョンハンの声色がどこか嬉しそうだったし、口元が緩んでいて可愛かったので大人しく従っておいた。私は犬ならご主人様ではなく飼い主だと思うと進言したが、

「おれがご主人様がいいっていったらそーなの。」

と頬をふくらませて言っていたので、そういうことにしておこうと思う。
諦めの早い私と頑固なジョンハンの会話では大抵私が押し負けて終わるのがいつもの流れである。その通り、結局高校を選んだ理由も聞けず仕舞いとなったのであった。

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(忠犬の極意 : ご主人様を詮索しすぎないこと。言われたことには大人しく従うのがベスト。)