天使の忠犬 (ページ1)

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朝、起床。携帯の電源をつけて時間を確認すると6:58だ、いつも7時辺りに起きられるのは私のささやかな特技である。

起きてまずすることは、体を起こして、布団を軽く整える。その後携帯の連絡先から【ユン・ジョンハン】を選び、着信をかける。

コールの音が1回、2回と続き、そのうち途切れる。…出ないのはいつものこと、想定通り。

小さく欠伸をしながら自室を出てリビングへ歩いていく。裸足のぺたぺたという音がフローリングに響くと、私が起きたことに気づいたのか、勢いよく爪のカツカツという足音と共に白い塊が柱の影を過ぎる。

「おはよう、ミカエル〜」

ワウッ！と言いながら飛びついてくるこの子は私の愛犬である。中学生の時、このまっちろいふわふわの毛に一目惚れし飼い始めた。もちろん名前のミカエルは天使から取っている。

一通り戯れたあとは洗面所でうがい、顔をぱしゃぱしゃと洗い、ふかふかのタオルで顔を拭く。

そしてもう一度、さっきかけたばかりの電話番号をタップする。1回、2回、3回。着信音が止まり、相手が電話に出たことに気づく。

「うう"〜〜……」

「おはよう、ジョンハナ。」

「ん、んー？？…おはよう、わんこ。」

寝起き特有の掠れた声で、えらいえらいと褒められる。ありがとうと言う途中で突然声が遠のいたと思ったらいつもの咳をしていた。通常運転。

…よし、今日もひとまず朝の日課達成。

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(忠犬の極意 : 毎日欠かさずご主人様より早く起きて、きちんと起こすこと。)