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「......離さない」

「.......離して」





「なんで?こっち駅の方向だよね?」







そう、涼介がスタスタと歩いていった方向には駅がある
そしてもう駅のホームが視界の端に見えているんだ。






「......東京に帰るから」







嘘。目泳ぎすぎだよ。








「は.......なんで今なの?」







「それに.....一緒に居たいって言ってたじゃん。」


 







「っ居たいよ!俺だって.......!」






「でも、無理なの」







「さっきからよく、分かんないよ、教えてよ...」






その時

ガタン、ゴトンと鈍い電車の音が聞こえた








「いかなきゃ」







「ちょっ」









カランカランと下駄を履いた涼介が走って電車に乗り込む




ギリギリで俺も滑り込んだ
乗客は他に誰もいない







「はぁっ、はぁ、裕翔は降りて...っ」








「....嫌だ。」






「え.....?」






「俺も行く」






「東京、行くんでしょ?俺も行くから!
 だからっ、」






やっと言えた。


行き先が東京でもたとえそれが嘘でもどうでもいい
あの時みたいにただ泣いて後悔なんてしたくない。

お願いだからずっとそばにいさせてほしい









「だめ、絶対。裕翔はまだ」









あっさりと、いやどこか焦ったように否定された



"まだ"



最後にぼそっと聞こえた、この言葉はどういう意味
だろうか









?「お早くぅー」







それは、俺がまだ子供だからって意味?

という俺が言いかけた言葉を遮ったのは


顔は見えないけれど車掌らしき人の
野太い声だった








待てよ.......









たしかこの駅無人駅だよ、な?
車掌なんかいないはず。


しかも携帯をポケットから取り出して時刻を見れば日がまわろうとしていた

田んぼしかないようなこのド田舎の終電は22時だ。
よく見れば行き先表示もこの電車には無い。







一体この電車はどこに向かう....?

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。_。(プロフ) - ありがとうございます!!拙い文章力ですがよろしくお願いします!! (2020年8月28日 18時) (レス) id: ecbe736c3a (このIDを非表示/違反報告)
ぽん - そうなんですね!笑これからも頑張ってください! (2020年8月27日 9時) (レス) id: bc5904160a (このIDを非表示/違反報告)
。_。(プロフ) - なんてうれしいお言葉っ、、!自分も毎回ytymちゃんで妄想しながら聴いて号泣してます笑(やばい) (2020年8月24日 23時) (レス) id: ecbe736c3a (このIDを非表示/違反報告)
ぽん - やっぱりそうですよね!今までただの遠距離カップルの曲として聞いていたんですけどこのお話読んでから聞いたらもうこのytymちゃんでしか考えられなくなってしまいました(?) (2020年8月24日 20時) (レス) id: bc5904160a (このIDを非表示/違反報告)
。_。(プロフ) - コメントありがとうございます!!そうです、あの曲です笑あの儚い夏の夜の雰囲気が大好きで。。思わずお話にしてしまいました!読んでいただいて本当に感謝です!! (2020年8月24日 18時) (レス) id: ecbe736c3a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:。_。 | 作成日時:2020年8月2日 21時

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