18話 ページ18
いつもの同じ研究室の先輩たちは、今日限定で各々違う研究室に駆り出されている。私と甲斐田が行っているこの作業が、一番人員を割かずに済む………らしい。
本当か?この紙のタワーを見ても同じことが言えるのか?と人事を問い詰めたい気持ちである。
先輩に言わせてみれば、
「違う違う、Aちゃんと甲斐田君は二人共頭が良いし、息ピッタリじゃない?貴方たちなら出来るって期待されてるのよ〜!という訳で、お互い頑張りましょうね!」
らしい。いやいや過大評価が過ぎるし普通に困る。それに息ピッタリってなんだ。そんな訳……………あるのか?
まあそんなこんなで、研究室には今、私とこの男しか存在していない。この状況はなんだかデジャヴだが、気にしている暇なんて無い。
そして時計の針が12を指す、少し前。
カンっと音を立てて、私達はほぼ同時にペンを置いた。
「……おわっ、た?」
「………おわった」
お互いに死んだ顔を見合わせる。いつもは透明感溢れる甲斐田の瞳に光はない。その顔の酷さに突っ込むほどの気力は、お互い残っていなかった。
「「寝よう」」
体を引きずるようにして、研究室から仮眠室へと移動する。
もう目の前がぼやけている。並んだベッドのどれか一つ、どれか一つにたどり着ければそれで良いから………
服もそのままにどさりとベッドに倒れ込む。
…………あれ。なんか、あったかい……………?
倒れ込んだ瞬間感じたベッドの硬さと温もりに疑問を持つ暇もなく、私の意識は完全にブラックアウトした。
「お〜ん、これどうすっかな………」
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ほの(プロフ) - めちゃくちゃ面白すぎます!無理しない程度に投稿頑張ってください! (2023年3月30日 13時) (レス) @page20 id: 00bdaf2ca5 (このIDを非表示/違反報告)
裏波(プロフ) - 柊羽さん» 読みやすい…!?嬉しいお言葉、ありがとうございます❣❣ (2023年3月5日 15時) (レス) id: 83035580da (このIDを非表示/違反報告)
裏波(プロフ) - youさん» わ、嬉しいです…!ありがとうございます!! (2023年3月5日 15時) (レス) id: 83035580da (このIDを非表示/違反報告)
柊羽(プロフ) - とても読みやすくて毎話ドキドキしながら読んでます😳大好きです❗️これからも応援してます💕 (2023年2月26日 0時) (レス) id: 7b1698db4a (このIDを非表示/違反報告)
you(プロフ) - ここからどうなるのかwkwkです。これからも応援しております〜♪ (2023年2月10日 14時) (レス) @page18 id: 2c07f96897 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:裏波 | 作成日時:2023年1月25日 12時