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10話 ページ11

「あ、そうだ。昨日僕のこと介抱してくれたのって、柚木なの?」


席についた甲斐田が何気なく放った一言。心臓が大きく跳ねるのが分かった。大方、先輩辺りの誰かから聞いたのだろう。


あまり昨日の事を掘り返すと、なにかの弾みで甲斐田が昨夜の一部始終を思い出してしまうかもしれない。

それは阻止せねば。なんとしてでも、彼に昨日の記憶を取り戻してもらう訳には行かないのだ。


平静を装って私は言う。



「や、私は最後にタクシー呼んだだけだよ。他は特に何もしてない」

「そうなんだ、ありがとね。昨日の記憶、マジでないんだよな……………なんか変なこと言ってなかった?」



勿論、変なことしか言ってなかったが???



だがそんなことは言えない。「なんにも言ってなかった、変な甲斐田見れなくて残念だったわ!」と笑顔で嘘をつく。



やっぱりそうだ。甲斐田は酔っていた時の記憶が残らないタイプの人間なのだ。

だから彼は昨日彼が私に何をしたのか、何を言ったのかを覚えていない。



昨日の様子とは打って変わった、テキパキとした動作で書類を整理し始める甲斐田。その銀髪がふわふわと揺れているのをぼんやり眺める。



これは、私にとって幸運だったのか。はたまた、そうではなかったのか。

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ほの(プロフ) - めちゃくちゃ面白すぎます!無理しない程度に投稿頑張ってください! (2023年3月30日 13時) (レス) @page20 id: 00bdaf2ca5 (このIDを非表示/違反報告)
裏波(プロフ) - 柊羽さん» 読みやすい…!?嬉しいお言葉、ありがとうございます❣❣ (2023年3月5日 15時) (レス) id: 83035580da (このIDを非表示/違反報告)
裏波(プロフ) - youさん» わ、嬉しいです…!ありがとうございます!! (2023年3月5日 15時) (レス) id: 83035580da (このIDを非表示/違反報告)
柊羽(プロフ) - とても読みやすくて毎話ドキドキしながら読んでます😳大好きです❗️これからも応援してます💕 (2023年2月26日 0時) (レス) id: 7b1698db4a (このIDを非表示/違反報告)
you(プロフ) - ここからどうなるのかwkwkです。これからも応援しております〜♪ (2023年2月10日 14時) (レス) @page18 id: 2c07f96897 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:裏波 | 作成日時:2023年1月25日 12時

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