thirty episode ページ31
誰を睨みつけているのかと視線をたどると、その先にはさっき日誌を渡した先生。…何故だ。
「…焦凍…どうしたの…？顔すごいよ？」
私が焦凍の目の前に立って顔を覗き込んでそう言うと、今にも舌打ちしそうな勢いの顔のまま、なんでもねぇ…とだけ言い、教室へ入って行った。
いやいや、…絶対なんでもなくないだろ。
何にもしてないのに焦凍に睨まれる先生…可哀そうに…
教室へ入りかけていた足を止めて振り返ると、先生は階段を降りていったところだった。
すると突然頭に強い衝撃。
痛っ…！！っと思った次の瞬間、グリンッと前を向かされた。
「痛い痛いっ！首と頭！もう少し優しく！！」
叫んだ相手は勿論焦凍。私よりも大きな手で頭を一掴み。
私の頭から小さくミシッ…と聞こえる。
あぁ…！！頭がっ！！
私の頭を掴んでいる焦凍の手を掴み、必死にはがそうとする。
怒ってる！なんでかわかんないけど焦凍が怒ってる！！
「痛いって焦凍！！」
少し大きめの声でそう言うと、パッと手が離された。
少し涙目で焦凍を見上げると、今度は頬が優しく包まれた。
「誰見てたんだ？」
私にそう聞く焦凍はどこか寂しげ。
「…え？先生だけど…」
「…あいつの事……」
そう言った焦凍の口から続きがでることはなく、眉間にしわを寄せて口をもごもごさせているだけ。
そんな焦凍を不思議に思って首を傾げた。
「Aは俺だけ見てればいい。」
ムスッとしていた焦凍はそれだけ言うと、満足したかのように私の頭を数回撫でて歩いて行った。
…え？
何？その漫画のみたいな一言。
…
カッコイイんですけど…
大丈夫、私は焦凍しか眼中にないからっ！！
心の中でそう叫んで、先に歩いて行った焦凍の後を追った。
先ほどの椅子にどかっと座った焦凍は鞄の中に本をしまっていた。
なんだったんださっきの…と思いながら焦凍を横目で見て、筆記用具をカバンの中に片づける。
「よしっ…！焦凍帰ろっ！」
教科書やなんやらで少し重い鞄を肩にかけようとすると、焦凍が自分の鞄を机に置いて私を見た。
招き猫みたいに手を小さくして手招きをしてくる。私も特に何も思わず移動して焦凍の前に立った。
フッと笑みを浮かべた焦凍は、私の腕を掴み自分の方へ引き寄せた。
突然の事で驚いていると、気が付いた時には焦凍の膝の上に乗っていた。
thirty one episode→←twenty nine episode
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1814人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ロップ兎(プロフ) - 利桜さん» コメントありがとうございます！最近更新遅くて申し訳ありません。なるべく早く更新するようにします！ (2017年8月27日 16時) (
レス) id: ce93d47f48 (このIDを非表示/違反報告)
利桜 - エンデヴァーめっちゃ親バカ笑 、更新お待ちしてます！！ (2017年8月27日 11時) (レス) id: f5b6208f11 (このIDを非表示/違反報告)
ロップ兎(プロフ) - 雨音色。さん» ありがとうございます！轟くんのかっこよさは誰にも負けません！エンデヴァーさん…なんか親バになってしまいました。喜んでもらえて嬉しいです、更新頑張ります！！ (2017年8月23日 9時) (レス) id: ce93d47f48 (このIDを非表示/違反報告)
雨音色。(プロフ) - 轟君めっちゃかっこいいです！！ 一推しなので読んでるだけでニヤニヤ止まりません！！！ エンデヴァーの親バカって良いですよね！小説で読めて最高です！ 更新頑張ってください！！！ (2017年8月23日 1時) (レス) id: 750f9850b9 (このIDを非表示/違反報告)
ロップ兎(プロフ) - ナノンさん» ありがとうございます！すっごく嬉しいです。最近更新遅くてすみません、頑張ります！！ (2017年8月14日 10時) (レス) id: ce93d47f48 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ロップ兎 | 作成日時：2017年5月28日 18時
