twenty four episode ページ25
私の前にちょこんと座った焦凍の包帯を丁寧に取っていく。
『火傷部分にはできるだけ触れないであげてね』という冬美お姉ちゃんの言葉を思い出しながら包帯を全て取った。
よしっ、とりあえずオッケー…！…これは…もう捨ててもいいよね、汚れてるし。
手に持った包帯を眺めて捨てようと決め、丸めた。
火傷部分に薬を塗ろうと焦凍の目の前に回った私は、息を飲んだ。
皮膚がべろりとはがれ、はがれた皮膚から覗く真っ赤なものが見ていて痛々しい。
そんな姿をしているのに私を見上げ不思議そうに見てくる焦凍を見て、胸が苦しくなった。
お母さん、本当になんであんな事したんだろう…
人さし指で薬をすくい、焦凍の顔に近づける。
「痛かったら痛いって言ってね。」
「うん。」
冬美お姉ちゃんに教えてもらった通り、触ってるのか触っていないのか分からないくらいに優しく薬を塗る。
大人しく目をつむっている焦凍が少し可愛く見えた。
塗り終わり、顔から手を離すと焦凍がゆっくり瞼を上げた。
…焦凍も痛く無かったみたいだし…良かった、上手にできた。
新しい包帯をくるくると出して焦凍の火傷部分に巻いていく。
さっきまで焦凍が巻いていた包帯を思い出しながら巻く。
「A…」
静かな部屋で、焦凍がつぶやくように私の名前を呼んだ。
「ん？…あっ、もしかして痛かった…！？」
きつく巻きすぎたかな…？
少し慌てて手を止める私に、静かな声で続きを口にする。
「…お母さん、僕の左が醜いって…言ってた。」
「えっ…？」
焦凍の口から出た衝撃の言葉に私の体全体が固まった。
「それで…お湯、かけたんだ…僕の左って…やっぱり皆嫌いなんだね。」
わかってたけど…と小さな声で付け足した焦凍の声は少し涙ぐんでいるようだった。
私は再び手を動かす。
焦凍の口からそんな事を聞いたというのに、私は何故か妙に落ち着いていた。
「…私は、綺麗だと思うよ。」
焦凍の頭をそっと撫でる。
「…お父さんの赤なのに…？Aは好きなの？」
ちょっとふてくされたような声でそう言った焦凍に、苦笑いをする。
「いや、まぁお父さんと同じだけどさ…この左は焦凍のでしょ？例えお父さんと同じでも、焦凍の持ってる赤…その左は何倍も綺麗だと思うよ。」
「だから私は、焦凍のその左好きだよ。嫌いだなんて思わない。」
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ロップ兎(プロフ) - 利桜さん» コメントありがとうございます！最近更新遅くて申し訳ありません。なるべく早く更新するようにします！ (2017年8月27日 16時) (
レス) id: ce93d47f48 (このIDを非表示/違反報告)
利桜 - エンデヴァーめっちゃ親バカ笑 、更新お待ちしてます！！ (2017年8月27日 11時) (レス) id: f5b6208f11 (このIDを非表示/違反報告)
ロップ兎(プロフ) - 雨音色。さん» ありがとうございます！轟くんのかっこよさは誰にも負けません！エンデヴァーさん…なんか親バになってしまいました。喜んでもらえて嬉しいです、更新頑張ります！！ (2017年8月23日 9時) (レス) id: ce93d47f48 (このIDを非表示/違反報告)
雨音色。(プロフ) - 轟君めっちゃかっこいいです！！ 一推しなので読んでるだけでニヤニヤ止まりません！！！ エンデヴァーの親バカって良いですよね！小説で読めて最高です！ 更新頑張ってください！！！ (2017年8月23日 1時) (レス) id: 750f9850b9 (このIDを非表示/違反報告)
ロップ兎(プロフ) - ナノンさん» ありがとうございます！すっごく嬉しいです。最近更新遅くてすみません、頑張ります！！ (2017年8月14日 10時) (レス) id: ce93d47f48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロップ兎 | 作成日時：2017年5月28日 18時
