eleven episode ページ12
部屋から顔だけを覗かせて廊下を見て、誰もいないことを確認するとそろっ…となるべく足音をたてずに自分の部屋から出る。
キョロキョロ顔をせわしなく動かし周りを見たが、お父さんのあの大きな体は何処にも見当たらない。
「良かった…」
ほっと胸を撫で下ろしたが、ここではないどこかでお父さんが怒っているのではないかと思ってしまい、背筋に寒気が走る。
後ろにいる焦凍の手を強く握って、きしっと小さな音をたてる廊下を歩きだした。
あれから無理矢理焦凍を起こし、連れてきたのだ。あのまま布団にもぐっていたってどうせすぐに私が起こしにいくのだから今連れてくる方がいい。
振り向いて焦凍を見ると私に引っ張られながら歩き、くあっ…と大きなあくびをしている。
＊
警戒して廊下を歩いてきたが、お母さんと冬美お姉ちゃんがいる台所までつくのに結局お父さんの姿を見つけることはなかった。
変だな…と思いつつ、お母さんと冬美お姉ちゃんに「おはよう！」と笑顔で挨拶をしてご飯が並ぶテーブルの前に座る。
皆が揃うのを待ってから、焦凍と一緒に「いただきます！」と言って食べ始めた。私、焦凍、お母さん、冬美お姉ちゃんはいるのにやはりお父さんはいなかった。
私達を見てニコニコと微笑むお母さんを見て、あっと声を上げた。
「ねぇお母さん！昨日のテレビでオールマイトが出てるのって録画してくれた！？」
白米を食べながらお母さんにそう聞くと笑顔で「うん」と言ってくれた。
やった〜！！と喜びの目で隣の焦凍を見ると、彼も目を輝かせ私に向かって頷いてくれる。
「こらA、喋るなら口の中のご飯飲み込んでから」
「んっ、」
冬美お姉ちゃんにそう言われ、大人しく口を閉じて白米を飲み込む。
ごくんっという音が自分の耳に響いた。
「あとでっ！あとで見てもいいよね？」
興奮して少し前のめりになって言う。
「そうね、今日はお父さんが出張でいないし…見ようか！」
目を細めて優しい口調でそう言うお母さんに私も笑顔で答えた。
満足した私は大人しく座りご飯をちゃっちゃと食べ始めた。
＊
「ちょっと待っててね、これからつけるから。」
テレビの前にしゃがんで、何かのボタンをぽちぽちと押しているお母さんの後ろでそれを眺めている私と焦凍。
楽しみだなぁ！オールマイト！
う〜！と心の中で叫ぶ私を、焦凍が優しい口調で呼ぶ。
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ロップ兎(プロフ) - 利桜さん» コメントありがとうございます！最近更新遅くて申し訳ありません。なるべく早く更新するようにします！ (2017年8月27日 16時) (
レス) id: ce93d47f48 (このIDを非表示/違反報告)
利桜 - エンデヴァーめっちゃ親バカ笑 、更新お待ちしてます！！ (2017年8月27日 11時) (レス) id: f5b6208f11 (このIDを非表示/違反報告)
ロップ兎(プロフ) - 雨音色。さん» ありがとうございます！轟くんのかっこよさは誰にも負けません！エンデヴァーさん…なんか親バになってしまいました。喜んでもらえて嬉しいです、更新頑張ります！！ (2017年8月23日 9時) (レス) id: ce93d47f48 (このIDを非表示/違反報告)
雨音色。(プロフ) - 轟君めっちゃかっこいいです！！ 一推しなので読んでるだけでニヤニヤ止まりません！！！ エンデヴァーの親バカって良いですよね！小説で読めて最高です！ 更新頑張ってください！！！ (2017年8月23日 1時) (レス) id: 750f9850b9 (このIDを非表示/違反報告)
ロップ兎(プロフ) - ナノンさん» ありがとうございます！すっごく嬉しいです。最近更新遅くてすみません、頑張ります！！ (2017年8月14日 10時) (レス) id: ce93d47f48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロップ兎 | 作成日時：2017年5月28日 18時
