ten episode ページ11
…部屋の外から、冬美お姉ちゃんの声がかすかに聞こえてくる。
たぶんお母さんと朝ご飯を作っているのだろう。
家の外からは、車の通る音もする。残念ながら鳥の鳴き声が聞こえるほど気持ちの良い朝ではなさそうだ。
ゴロンと寝返りを打つと、すぐそばから誰かの体温が感じられ寝息も聞こえた。
うっすらと目を開けるとドアップで見えてくる私の兄、焦凍の寝顔。
かわいい…
ふふっと笑みをこぼして焦凍の胸に顔を埋め、そしてまた目を閉じる。
そうすれば、寝ぼけているのかそれとも起きているのか…焦凍の手が私の頭に添えられる。
数十秒、目を閉じて静かにしていたが…眠れない！
おかしい、いつもならすぐにまた寝てしまえるのに…。
脳が睡眠はもう十分だと言わんばかりに、元気に動いている。
もう一度目を開ければ、何故か今度は視界もぼやることなくパッチリだ。
「…ん〜？」
ごそごそと焦凍の腕から抜け出して、あくびを一つ。
置いてある時計を手に取る。
んーと、お父さんと約束してる時間は…。
指でぐるっと画面をなぞって、“七”を探す。
「えっと…短い棒が、七のところにあればいいんだっけ…？」
以前、お父さんに七時には起きていろ。と言われた。
お母さんか、冬美お姉ちゃんに声がかけられないと起きれないしそもそも七時とはいつのことか、さっぱり理解していなかった私はきっぱりと出来ないと答えた。
するとお父さんはため息をつき、自分の部屋に私を連れてきて古い時計を渡した。
自分で起きる努力をしろと言ったお父さんは、すぐに時計の簡単な読み方を教えてくれた。
こういう所は父親なんだなーなんて、その時の私は思ったものだ。
そして数秒、時計とにらめっこをして考える。
あれ…？短い棒が七のところにない……八のところにある…。
「これって…だめなんだっけ…？」
人差し指でこめかみをぽりぽりとかき、記憶を探る。
たしか…前に八のところで起きたら…怒られたんだっけ…。
あーそうだ、叱られたんだ…。叱られ…。
「…あぁっ！！」
思わず出してしまった大声に、寝ている焦凍が「Aうるさい」と言って毛布を頭まですっぽりとかぶった。
いやいや、そんな場合じゃないって！
時計を放って、焦凍の体を激しくゆする。
「お、お父さんとの約束の時間じゃないの！棒が八のところにあるからまた怒られるよ！？」
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ロップ兎(プロフ) - 利桜さん» コメントありがとうございます！最近更新遅くて申し訳ありません。なるべく早く更新するようにします！ (2017年8月27日 16時) (
レス) id: ce93d47f48 (このIDを非表示/違反報告)
利桜 - エンデヴァーめっちゃ親バカ笑 、更新お待ちしてます！！ (2017年8月27日 11時) (レス) id: f5b6208f11 (このIDを非表示/違反報告)
ロップ兎(プロフ) - 雨音色。さん» ありがとうございます！轟くんのかっこよさは誰にも負けません！エンデヴァーさん…なんか親バになってしまいました。喜んでもらえて嬉しいです、更新頑張ります！！ (2017年8月23日 9時) (レス) id: ce93d47f48 (このIDを非表示/違反報告)
雨音色。(プロフ) - 轟君めっちゃかっこいいです！！ 一推しなので読んでるだけでニヤニヤ止まりません！！！ エンデヴァーの親バカって良いですよね！小説で読めて最高です！ 更新頑張ってください！！！ (2017年8月23日 1時) (レス) id: 750f9850b9 (このIDを非表示/違反報告)
ロップ兎(プロフ) - ナノンさん» ありがとうございます！すっごく嬉しいです。最近更新遅くてすみません、頑張ります！！ (2017年8月14日 10時) (レス) id: ce93d47f48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロップ兎 | 作成日時：2017年5月28日 18時
