first episode ページ2
物心ついた時から、私は轟家に居る。
それ以前の事は、不思議と覚えていない。
焦凍や冬美お姉ちゃん達は、ぼやっとだが覚えている所もあるらしい。
そんな私、轟A五歳は焦凍と双子で、私の方が妹。
そして私の兄である焦凍はというと…
「ん…」
シングルの私の布団にもぐり込み、私を抱き枕にして寝ているのだ。
狭いと思ったらこういう事か…
兄の焦凍は、重度の妹大好きでこうしてほぼ毎日夜中に私の布団に入ってきて私を抱きしめて寝ている。
こんな事をしている焦凍に注意しない私も相当兄大好きなんだけどね…
私がこうして一人で寝れるのも、夜に焦凍が来てくれるからなのだ。
枕元に置いてある時計を手に取り、時間を見る。
お父さんと約束した起きる時間まであと少しだ。
「あ…これ以上寝てたらお父さんに怒られる…」
自分の上に乗っかっている掛け布団を退かし、起き上がろうとする私を焦凍の腕が阻止する。
絶対起きてるでしょ、これ…
体をくるっと回して焦凍の方を向く。
相変わらずのさらさらの髪を撫でる。
「焦凍、起きてるでしょ？早く布団から出ないとまたお父さんに怒られるよ？」
ばさばさっと焦凍の髪を雑に撫でると、片目だけをパチッと開けて綺麗なオッドアイの瞳を覗かせた。
私をチラッと見て、何も言わず動こうとしない焦凍。
「焦凍？早く離して。もうすぐで時計の針が七にいっちゃうよ。」
私がそう言うと、焦凍は目を細めた。そして両手を広げると、ん…といった。
「はいはい…。」
体制を低くして、焦凍を抱きしめた。
焦凍もすぐに、私の背中に手を回して強く抱きしめてくる。
体を起こすと、焦凍が上半身を起こして私の頬にチュッとしてくる。
その行動に思わず頬が緩む。
「…焦凍好きっ！」
「僕もA好きっ！」
私がもう一度ぎゅっとすると、ニコニコと笑う焦凍。
するとばさっと勢いよく掛け布団を退かし、私の手を引っ張ってお母さんの元へ駆けて行く。
「おはようお母さん！」
お母さんの姿を発見した私は焦凍から手を離し、抱き着いた。
一瞬驚いた顔をしたお母さんだが、すぐによしよしと言って笑顔で頭を撫でてくれた。その横から、冬美お姉ちゃんがひょこっと顔を出す。
「A、おはよ。焦凍もそんな顔してないでお母さんにおはようって言って来たら？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1815人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ロップ兎(プロフ) - 利桜さん» コメントありがとうございます！最近更新遅くて申し訳ありません。なるべく早く更新するようにします！ (2017年8月27日 16時) (
レス) id: ce93d47f48 (このIDを非表示/違反報告)
利桜 - エンデヴァーめっちゃ親バカ笑 、更新お待ちしてます！！ (2017年8月27日 11時) (レス) id: f5b6208f11 (このIDを非表示/違反報告)
ロップ兎(プロフ) - 雨音色。さん» ありがとうございます！轟くんのかっこよさは誰にも負けません！エンデヴァーさん…なんか親バになってしまいました。喜んでもらえて嬉しいです、更新頑張ります！！ (2017年8月23日 9時) (レス) id: ce93d47f48 (このIDを非表示/違反報告)
雨音色。(プロフ) - 轟君めっちゃかっこいいです！！ 一推しなので読んでるだけでニヤニヤ止まりません！！！ エンデヴァーの親バカって良いですよね！小説で読めて最高です！ 更新頑張ってください！！！ (2017年8月23日 1時) (レス) id: 750f9850b9 (このIDを非表示/違反報告)
ロップ兎(プロフ) - ナノンさん» ありがとうございます！すっごく嬉しいです。最近更新遅くてすみません、頑張ります！！ (2017年8月14日 10時) (レス) id: ce93d47f48 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ロップ兎 | 作成日時：2017年5月28日 18時
