【ONE PIECE】末っ子シェフを落とせ。【マルコ】

14大切な家族(過去) ページ14

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すぐそこに居る、ジェイドが何を叫んでいるかもわからない。横殴りの雨はもう槍のように全身に食い込んでくる。すぐ真上では雷鳴が響き闇と真っ白な世界を繰り返していた。
私の胴体程のロープが嫌な音を立て軋む。その度に苦悶の表情を浮かべるジェイドを、どうにか救おうと必死に手を動かしていた。

何度も風にあおられ滑り、刃が自身に当たる。
それでも関係なかったし痛みもなかった。目の前のロープを切り終えその大切な手を引いたのと同時にサッチの大きな腕が私を包んでくれた。
雨でストレートになった髪の毛。水も滴る良い何々とは良く言ったもの。



サッチ、ありがとう。


そう言いかけて、息を呑んだ。









私を見て心底安心したかのようなサッチの向こうに、

さっき切ったロープがうねり、ひるがえる。









何も考えられなかったけど、気が付いたら目の前の大切な二人を蹴り出していた。







サッチは泣きそうな顔で私の名前を叫んで手を伸ばしてくれた。



そんな顔させるつもり無かったんだけどなぁ、




私、仲間を守れたよ？
ちゃんと、海賊らしく笑えていたかな？









．.・．.・．.・．.・．.・




冷たくて痛くて苦しい。



どっちが、上か下かもわからない真っ暗な海。

苦しくてもがいても、身体に入ってくるのは冷たい海水だけだった。




きっと皆心配してるだろうな、
マルコに怒られたらサッチのせいにしちゃおう









そんな事を考えていた気がする。









それからの記憶は、無い。







．









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(‥‥なんだ、死体か。可哀相に、)


(違う‥！まだ息がある！！)

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